北村龍平監督の最新作『ドアマン』を観た。
『ドアマン』 ドアマンという設定に意味はない。 強くて賢い敵が一人もいない。 監督:北村龍平 出演:ルビー・ローズ, ジャン・レノ, アクセル・ヘニー, 伊藤英明, ルパート・エヴァンス |
『ジョン・ウィック チャプター2』『MEG ザ・モンスター』のルビー・ローズ主演による、元海兵隊の女性ドアマンがたった一人で強盗団に立ち向かう姿を描いたバトルアクション。
『ミッドナイト・ミート・トレイン』『VERSUS』の北村龍平が監督を務める。
『レオン』のジャン・レノ、『オデッセイ』のアクセル・ヘニー、また日本から伊藤英明が出演。
2020年製作/97分/PG12/アメリカ
原題:The Doorman
配給:アットエンタテインメント
極秘任務の要人警護に失敗して海兵隊を除隊したアリ(ルビー・ローズ)は、ニューヨークの一等地に建つビル、キャリントンのドアマンとして勤務することに。
イースターの休日を使ったビルの改装工事が行われ、入居者もほとんど不在の中で穏やかな一日を過ごせると考えるアリだったが、ビルに強盗団が侵入する。
ビルの内部には数十年前に東ドイツから盗み出された数々の名画が隠されていたのだ。
甥と姪を人質に取られたアリは、海兵隊で培った戦闘術を駆使して彼らに挑む。
北村龍平監督の最新作をやっと配信で観れることに。劇場に観に行きたかった作品ではあるが、コロナ禍の緊急事態宣言時で新宿まで足を運べなかったのだ。
ドアマンが人を守りアクションを展開する設定は、なかなか面白そうである。
だが内容はドアマンの職に就いて間もなく強盗団と激戦を繰り広げることになるので、「ドアマン関係ないなぁ~」と思った。
もっとドアマンの衣装で戦って欲しかったなぁ~という想い。強盗団と戦う中で、「ドアマンの格好した女性が何でこんなに強いんだ?!」という描写が欲しかった。
日本からは伊藤英明が起用されているが、特に伊藤英明を起用する意味がなかった活躍であった。
全然無名の役者さんが演じてもいい役どころであったので勿体ない。
そしてせっかくのアクション映画でありながら、強盗団の連中が全然強くない。
元海兵隊の隊員であった主人公アリなので、強盗団がアリに歯が立たないというところは理解出来るが、残念ながらアリ自身もさほど強くはない。
『イコライザー』や『ジョン・ウィック』などでは主人公の戦闘力の高さに驚いたが、アリは大したことない。強くもない強盗団に苦戦しているではないか。
強盗団は強くもない上に、賢明ではない。頭も良くないヘッポコ集団なのである。
その集団相手に苦戦を強いられている状態では、過去にアリが任務に失敗をしたことも頷けてしまうのだ。
そのくせ自分を包囲した警察官相手には、スーパーマンのように強かったのは何故なのか。
強盗団のザコ相手に対しては元海兵隊員の戦闘術で容易く処理して、その上で強盗団の中に優秀な戦闘力を持った相手が一人、二人いれば面白かった。
そして仲間割れするようなアホな強盗団ではなくて、そいつらをまとめる恐ろしいほどの存在としてジャン・レノを描いていれば、映画の中にハラハラドキドキする緊張感があったはずである。
と、色々と辛辣なことを書いたが、楽しみにしていた映画なので、そこそこ面白かった(どないやねん!)。
それだけに粗も目立った感じ。ドアマンという良き設定とアクション映画であることを最大限にまで活かしきれなかった感じで、そこそこ面白かったけど、色々と気になる点が目についたのである。
北村龍平監督のハリウッド作品は好きなので今後も楽しみにしてウォッチしていきたい、といったところで「カット、カット」。
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