みうらじゅんさんが仏教をテーマに自分流の仏教を説いた『マイ仏教』を読んだのだ。
『マイ仏教』 みうらじゅん (著) |
マイブームの生みの親である、みうらじゅんさんが説き記した仏教本『マイ仏教』。
仏像の虜になり住職になることを夢見て仏教学校にも通った「みうらじゅん」さんの、ユーモア溢れる「みうらじゅん」さんなりの解釈での仏教がここにアリ!
人生は苦しく世の中は諸行無常だが、でも「そこがいいんじゃない!」と唱える「みうらじゅん」哲学は、人の心をラクにしてくれる。
煩悩にまみれた人間に救いの言葉となるように、明るい未来を想像させ人生を歩きやすくさせてくれるのだ。
子供の頃に怪獣を好きになることがキッカケで、仏像を見て「怪獣みたいでカッコイイ!」と感想を抱いたという。
「好きなバンドのコンサートに行く」ような想いで仏像を目的にお寺へ足を運び、「お寺のスタンプラリー」をするような気持ちで御朱印を頂戴して行くことで仏教の世界に惹かれていく。
現在はお堂内部の撮影は禁じられていることが多いが、みうらじゅんさんが子供の頃は規制が緩く仏像を写真に収めることが自由に出来た。撮った写真をスクラップにした「仏像スクラップ」は全七巻まで制作する程の自分の中での「仏像ブーム」。
筆記試験はボロボロだったが、面接で「仏像トーク」を披露して見事に仏教中学に入学。
しかし中三で「女子にモテたい」欲求からギターを手に音楽の世界にのめり込み、やがて仏教から離れていくことに。
青春時代は誰しもがそんな経験があるのではないか。子供の頃に好きだったものが、思春期になり他のモノに興味が移っていく。
だが大人になると、また子供の頃に「マイブーム」だったものが再燃するのだ。
どれもこれも何もかも世の中は諸行無常である。
また諸行無我という教えでは「無我」と言うように「そう考える自分自身にも実体はない」と説く。
その観点から「自分探し」に夢中になり「本当の自分」に出逢うことを求めるのではなく、「無我」つまり「本当の自分」なんてものはないと想えば、「自分探し」に苦しむことなく「自分なくし」の旅で道が拓けてくるのではないか。
ふざけたようにバカバカしく書かれたエピソードが満載の『マイ仏教』には目から鱗の金言が詰まっている。
堅苦しい仏教本ではなく万人に読みやすく受け入れやすいカタチで書かれた『マイ仏教』は、でも「そこがいいんじゃない」と微笑むことで我々の苦しみを和らげご機嫌に人生を歩いて行くことが出来る最高の一冊なのだ。
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