東村アキコの『かくかくしかじか』を一気読みした。
以前に『浦沢直樹の漫勉』というTV番組で東村アキコという漫画家が出ていて、この作品を読んでみたいと思ったので全五巻を一気読みした。
この物語は作者の実話で、作者が高校時代に通い始めた絵の教室で先生をしていた人物との物語である。
とにかく先生は厳しくて「描け」「描け」「描け」と、ひたすらに絵を描き続けさせた人だった。
竹刀を持って女子だろが容赦なく叩いた。しかし先生の絵と生徒たちに対する愛情は、とても深くめちゃ優しい人だった。常に本気だから。本気だから厳しくも優しくもある。まっすぐな人だ。
俺やそこいらの連中のように、ハンパな優しさや曲がった根性などない。
俺は絵は人に習うものではないとずっと思っている。一番素晴らしい絵を描くのは子供であると。岡本太郎もそう言った。絵本作家の荒井良二も。俺は誰かに絵を習ったことは一度もない。だからヘタクソだ。上手くなったらツマラナイと思っている。上手い絵を描く人は世の中にゴロゴロといる。でも心を打つ絵を描く人はほとんどいない。
この先生は生徒にひたすらデッサンをさせる。ここまで来るともうそれは本物でしかない。
俺なんてデッサンができない。
絵なんて習うものではないと思っていたが、不思議とこの先生に怒られてしごかれて絵を習ってみたいと思った。
そっか。俺は昔から大人が嫌いだったからな。大人のヤツらは皆つまらんかった。先公なんて頭の固いヤツらばかりで大嫌いだったからな。誰も尊敬したことなかった。
子供は本気でぶつかってくる大人が嫌いではない。真っ直ぐな大人が嫌いではない
・・・・どうして俺、あんなに大人が嫌いだったのに、こんなにひん曲がっちゃったのかな・・・。
そんなことより『かくかくしかじか』良かった。
俺も創作意欲が湧いてくる。
いい作品だ、泣けた。
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