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千原ジュニア『3月30日』を読んだ。

『14歳』に引き続き、千原ジュニアの『3月30日』を読んだ。

3月30日とは千原ジュニアの誕生日であり、物語は14歳のその後、芸人になった15歳からバイク事故があった26歳までを書いたものである。

この本を読んで、俺が奈良にいる頃、東京に出ていく前のことを思い出した。千原ジュニアがまだ東京で売れる前、大阪で活躍していた頃、俺は奈良にいた。番組内での「千原トーク」というコーナーはめちゃ面白かったのを覚えている。とにかくフリートークが面白かった。今でも千原ジュニアのフリートークの上手さは芸人の中でもダントツだ。

高校を卒業した後の俺は、進学も就職もせずに上京をするため、奈良で焼肉屋の調理場でバイトをして深夜は大阪の喫茶店でウェイターをしていた。かけもちバイトで眠らずに働いた。二日間ぐらい眠らずに働いたこともあった。

深夜の喫茶店はとにかくお客さんのガラが悪かった。大阪のミナミ、東京でいえば歌舞伎町といったところか。お客さんはホステス、外国人のホステス、ホスト、オカマ、出前ではヤクザの事務所にも行った。オカマの人には「あんたカワイイねぇ」と言われて気に入られていた。

そこの喫茶店には同時期にバイトを始めた吉本の芸人がいた。彼は千原ジュニアの番組に出ていて、2丁目劇場ではキャーキャー言われているような人だった。俺はシフト上、彼と一緒に仕事をすることが多かった。彼は他のバイトスタッフに、テレビのことなどよく聞かれていた。かなりめんどくさかっただろう。だから俺はあえてテレビのことなど一切聞かなかった。フツーに楽しく一緒に仕事をした。二人だけで仕事をする時は、かなり自由に二人だけのルールで仕事をした。

ある日、俺と彼と深夜のシフトを仕切るオッサンで店をまわしている時の話。オッサンが食事休憩に行ってから、眠ったまま戻ってこなかった。そんな時に俺も彼も、作り方のわからないドリンクのオーダーが入った。彼は「今、材料を切らしてるからって言って断ろうか?」と俺に言った。俺は「いや、作りましょ!確かレシピ表がありました」そう言って俺は作り方もわからないドリンクを、レシピ表を見ながら作った。それはレシピ表なんかではなく、材料や分量が書いてあるだけのメモだった。正しい完成品がどんなモノなのかもわからないで、グラスにシロップと氷とアイスを乗っけてお客さんに出した。彼は「お前、スゲーな!!」と驚いていた。ドキドキしながら彼とお客さんを見ていたら、なんとそのお客さんは全部残らずにそのドリンクを飲んだ。あとで
オッサンが休憩から帰ってきて、そのドリンクの作り方を教えてもらったら全然違っていた・・・。シロップと氷を入れたら、それをミキサーにかけなければいけなかった。正しい完成品は全然違っていたのだ。ビックリしたのは翌日、そのお客さんがまた同じドリンクを注文したこと。彼と「昨日のやつが美味かったってことか~!」と笑っていたが、正しい作り方を覚えてしまった俺は、ちゃんとシロップと氷をミキサーにかけて同じオーダーなのに昨日とは全然違うドリンクを出した。ドキドキしながらそのお客さんを見ていたが、何の躊躇もなくそのドリンクを飲んでいた。助かった~、と彼と笑った。

高校を卒業してから4ヶ月後、俺はバイトで貯めた60万を持って上京した。

喫茶店を辞める時、芸人の彼は俺にケータイ番号を教えてくれた。その時、まだケータイが普及しはじめたばっかりで、俺はケータイを持っていなかったけれど、上京してから買ったケータイに彼の番号を登録した。しかし、しばらくは電話することはないと思った。俺は奈良には帰らないと決めていた。自分が男として一人前になるまでは連絡はしないと決めていた。それから俺はだんだんと、奈良の友達とも疎遠になっていった。

そして今、山梨にいる。俺はまだ一人前の男になっていなかった。38歳にしてまだまだ18の頃と、恥ずかしながら何も進歩していない。

芸人の彼といえば、今では大阪を中心に活躍している。アメトーークやTHE MANZAIなどで、こっちのテレビでも観ることがあるけれど。自分の決めた道をしっかり進んでいる。

千原ジュニアのこの本でも、千原ジュニアは紆余曲折しながらも突き進んできた。

俺もまた山梨を離れたくなってきた。奈良に帰る気はないが。もっと遠いどこかへ行きたい。宮古島・・・・・、スペイン・・・・、オランダ・・・・。行きたいところを考えてはいるけれど、答えはまだ出ていない。

 

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