今回観た映画は4本とも園子温監督作品。
『ヒミズ』『希望の国』を観て『地獄でなぜ悪い』で失禁脱糞した。
それでは、レビューをさせていただきます。
『冷たい熱帯魚』 でんでんさんの恐怖。 出会ったら人生が狂わされる。 監督:園子温 出演:吹越満, でんでん, 黒沢あすか, 神楽坂恵 |
いやぁコワイ、すごくコワイ。
人間の心の中の闇や狂気が描かれていて、でんでんさんが演じる村田という男が本当に恐ろしい。
ユーモアがあって人のイイおじさんのように見える、詐欺師特有のあの感じ。
ニコニコ近づいてきたと思ったら、気性が激しかったり、「お前は特別だ」みたいな調子のイイ言葉で相手を取り込もうとする。
人の弱みをとにかく刺激して、自分のペースにする。
気の弱い社本という主人公が村田に出会うことで人生を狂わせていくのだが、こういう出会いは誰しもの日常にも潜んでいる。
こういうオッサンいるもん。
やたらと声がでかくて自分のペースに巻き込んでいって、相手を取り込むオッサン。
絶対に近づかない方がいい。
元々愛犬家殺人事件という実際の連続殺人事件をモチーフにして、熱帯魚に代えて映画化したものである。
愛犬家連続殺人 (角川文庫)志麻 永幸 (著) |
でんでんさんの演技がリアルでコワイ。
でんでんさんを街で見かけたら、全速力で逃げちゃう。
『TOKYO TRIBE』 ラップミュージカル。 ラップが多過ぎたかも。 監督:園子温 出演:鈴木亮平, YOUNG DAIS,清野菜名, 佐藤隆太 |
ラップミュージカルという、なかなか難しい挑戦をした作品。
漫画が原作だが、原作を読んだことはない。
ラップを映画のストーリーに乗せるわけだが、ラップミュージカルシーンが個人的には長過ぎた。
ギャング達の抗争をミュージカルで描く『ウエストサイド物語』という有名な作品があるが、ギャング達の抗争をラップで表現してみたかったのだろうか。
役者陣も魅力的でイイところも沢山あるが、ラップミュージカルのシーンはもっと減らしてほしかった。
大半をラップで見せるよりも、要所要所で見せてくれた方がメリハリが出る。
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』という映画では、ミュージカルシーンのメリハリがとても上手かった。
映画の雰囲気はカッコ良かったが。
『リアル鬼ごっこ 2015劇場版 』 園子温監督の魅力がない。 血が噴き出るだけでは芸がない。 監督:園子温 出演:トリンドル玲奈, 篠田麻里子, 真野恵里菜 |
『リアル鬼ごっこ』の別バージョンでの映画は観たことあったが、園子温監督バージョンは初。
学生たちが血だらけになって殺される映画はウンザリ感がある。
『バトルロワイアル』の時は衝撃的だったが、『悪の教典』やら何やらで、もう飽きたかなぁという感じ。
大量に死んでいく学生たちの映画は面白さもあるが、不快感もある。
園子温監督作品はグロい。
『TOKYO TRIBE』『リアル鬼ごっこ』を観て、ちょっと首を傾げた。
『冷たい熱帯魚』で受けた激震がない。
三池崇史感を感じた。
人気の原作を雑にテキパキと調理していく感じ。
園子温監督作品に求められているのは、ファミレスの料理じゃない。
口の中に入れて一瞬吐きだしてしまおうかと思うのだが、食べ始めたらクセになるような料理である。
園子温は自身が原作をして脚本・監督をする映画にこそ、大いなる魅力を発揮する人なのだ。
『愛のむきだし』 本当の愛を教えてくれた。 園子温監督のパワーが溢れている。 監督:園子温 出演:西島隆弘, 満島ひかり, 安藤サクラ |
この映画は4時間もあるので、観ることを離脱してしまう人も多いだろう。
それではもったいない。
僕は感動して泣きそうになったのだ。
この4時間というのは、園子温監督のエネルギーが詰まっている。
本当に愛のむきだしだと思った。
愛とは何ぞや??その答えが、この映画にあった。
ラストまで観たら、愛の答えがわかる。
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