この作品は、コンペ出品作品だったが、めでたく落選したのだ。
キャストもスタッフも全部自分一人、一日二日で撮った映画で入選しようなんざ甘かった。
甘かったが、評価は辛かった。いや当然だ。甘辛味である。
しかも募集テーマはヒーローだってのに、ヒーローとは真逆の方向へ走って行っている。
野外にてカメラの前で、オッサンが一人で暴れているんだからこれは変質者扱いされての通報レベル。
一人でも多くの人に観てもらわなきゃこの作品は成仏しねぇ。
ってなことで「観てね」ということを伝えたくて涙ながらに訴えて、その願いを成就させるべく滝に打たれてきたかどうかは語るまでもないのですが、滝に打たれた感想を妄想で言うと「すっごい水圧だったよ。あんなのに打たれ続けたら、カラダがバラバラになっちゃうよ!」と、周囲に言ってまわったら、友達を沢山失いました。
実はこの映画の中でも「滝」が出てくるんです。
ロケ地に滝を選びたかったんですね~。
怪人と戦うヒーローの背景に滝があるってイイじゃないですか~。
さてさて、この『アンチヒーロー』なのですが、いわゆる正義の味方のヒーローって感じにしたくなかった。
ヒーローな立ち位置なはずなんだけど怪人に対して高圧的で、ヒーローとしても人間としても全然「善」じゃないヤツ。
全然前世から善じゃない。
そんなヤツがひたすらに怪人をやっつける。
それは全て私利私欲のため。私利私欲のために怪人をやっつける、そんなヒーローを描きたかった。
それでも結果世の中のためになっていれば、それはそれでイイのかもしれない。例え私利私欲のためであっても、地球に棲息する怪人を一掃してくれたのなら人々は安心して暮らせるではないか。
偽善という言葉があるが、その偽善行為によって救われる人がいるのなら、それって「素敵やん」と思うのだが。
偽善で誰かを救う人と、何もしなくて誰も救えない人では、偽善者の方が救われた人にとっては善人なのである。
偽善で「100万円をくれた人」と、「1円もくれない人」とでは、どっちに感謝するだろうか。
そんな哲学的なことを作品へのメッセージに込めたかどうかは全然込めてなかったわけだが、実はそんなことを考えていたんですと言いふらしていたら、友達を沢山失いました。
前置きが長くなりましたが、そんなこんなの『アンチヒーロー』を岩盤浴に浸かってプリンでも食べながら、観てね☆
『アンチヒーロー 』
上映時間12分03秒 |
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