ミサイルが飛んでくるだの、戦争が始まるだの、そんなバカげたニュースが今、当たり前になろうとしている。
僕たちは戦争で亡くなっていった人たちから、話を聞くことは出来ない。
戦争を体験した人たちからの話も聞くことは少なくなった。
しかし歌や書物、映画などを通して僕たちはその一部を知ることが出来る。
その事実を学び、間違った歴史を繰り返してはいけない。
『プライベート・ライアン』 戦争の残酷さを描写した映画。 それでもアメリカは戦争を続ける。 監督:スティーヴン・スピルバーグ 出演:トム・ハンクス, エドワード・バーンズ,トム・サイズモア, ジェレミー・デイヴィス |
アメリカは『プライベート・ライアン』にアカデミー賞を与えたりするよりも、ちゃんと内容を受け止めなきゃいけない。
本作は、戦争映画でキチンと残酷さを描写している。
銃で撃たれて、カラダから内臓や腸が飛び出たりするのだ。
戦争の現場を知らないが、リアルは最悪なほどに残虐な現場だったはずである。
だからこそ軽く描いてはいけないし、残酷に描写することで戦争の悲惨さや愚かさを伝えることが出来る。
『プライベート・ライアン』という映画がありながら、アメリカは戦争をやめようとしない。
こんなバカバカしい悲惨なことを繰り返してはいけない。
何で殺し合っているのか、何で仲間が死んでいくのか、何で涙しているのか、こんなことをいつまでも繰り返しているのが理解出来ない。
『茄子 アンダルシアの夏』 自転車レースを延々と見せる、 それだけで引っ張るチカラがある。 監督:高坂希太郎 出演:大泉洋, 小池栄子, 筧利夫 |
先ずタイトルがイイ。『茄子』って・・・、笑。
自転車レースを延々と見せていくことに耐えうるチカラのある映画。
最後まで飽きさせずに引っ張ることが出来てスゴイ。
マラソン中継なんかを観ていて思う。人が走っている姿を延々と皆見ている。僕なら結果さえ知れればそれでイイのだが。
ランナーが、それぞれのドラマを背負って黙々と走っている姿に人は物語を感じて感動するのだ。
主人公ペペの物語を見せることで、自転車レースのシーンに感情移入していく。
そして茄子の浅塩漬けを食べたくなるのであった。
『そこのみにて光輝く』 役者も監督の腕も素晴らしい。 しかし作品が重すぎる。 監督:呉美保 出演:綾野剛, 池脇千鶴, 菅田将暉 |
菅田将暉という役者が引っ張りだこだが、今まで全然作品を観ておらず、正直「何で人気あんの??」って思っていた。
本作を観てその疑問が晴れた。
めちゃくちゃ演技力高いやん!
その演技力は、他の役者も皆、揃いも揃って良かった。
役者陣が素晴らしいのは、監督の腕がかなり良かったと思う。
映画の持つ雰囲気も上手い。
女性が監督とは思わなかった。
映画の繊細さを考えれば確かに女性監督ならではであった。
男にはこの繊細な表現は出来ない。
だが作品が終始重すぎる。
菅田将暉が時折明るくしてくれるが、皆暗い顔をして、それでいてSEXばかりしている。
顔は暗いのに、下半身は元気。
とにかく何だか絶望感ばかりを突きつけられた気がして、こっちの気まで重くなってしまった。
『悪人』 どの役柄も理解できないが、 役者陣の演技の上手さはお見事! 監督:李相日 出演: 妻夫木聡, 深津絵里, 岡田将生, 満島ひかり |
満島ひかりの演技の上手さが見事で、本当にムカつく女を演じてくれる。
岡田将生や妻夫木が、そんな満島ひかりに感情的になる。
満島ひかりは被害者の女性という役どころだが、この性格の女だったらケンカになるのが理解出来てしまう。
さすがに山に捨てたり、殺人をしたりしないが、相当ブチ切れられても仕方ない。
役者陣は演技達者である。
邦画を最近観ていて思うが、暴力系の映画は暗くて、やたらとSEXシーンを出す。
暗いんだか元気なんだか、よくワカラナイ。
どの役柄もリアリティーがあり理解出来るところもあるが、やはり理解出来ない。
原作小説を読むと理解出来るのだろうが、二時間の映画ではそうはいかない。
それでも、しっかりと二時間を見させてくれる映画である。
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