二十年位前に初めて『竜二』を観た。
今、改めて観ても『竜二』は格好良かった。
この当時の時代にピッタリ来たが、現代では厳しい。
それでは最近観た映画のレビューを。
『グレイトフルデッド』 グロい映画だが、 主役の女優がイイ。 監督:内田英治 出演:瀧内公美,笹野高史 |
瀧内公美、イイ女優であり、果敢に挑戦していてサイコな役柄だけど思いっきり演じてる。
キレイどころな役しか演じない女優は、もう古い。
作品の内容はグロい。
最近はグロい映画が好きである。
人によってグロさの許容範囲が違うから何とも言えないが、本作はグロさのギリギリのラインを上手く走っていた。
『竜二』 男が惚れる映画。 現代ではもう作れない。 監督:川島透 出演:金子正次, 永島暎子,北公次, 桜金造, もも |
『竜二』が公開してから、主演の金子正次は一週間後に亡くなった。
『竜二』を二十年前に初めて観た時、長渕剛ファンの僕は「うわ!めっちゃ竜二からパクッてたやん!」と思った。
長渕剛は『竜二』からカッコイイ部分をパクり、自分なりのエッセンスを足して『とんぼ』や『オルゴール』『しゃぼん玉』を生んだ。
『英二』なんていう映画も撮っちゃったぐらい。
『竜二』がなければ、あの頃の長渕剛は存在しなかっただろう。
『竜二』はカッコ良すぎて影響力がハンパない。
ヤクザの抗争や拳銃でドンパチというシーンを一切描かないで、男の切なさや哀愁、それでいてヤクザの世界を見事に描いている。
ヤクザ映画で人を殺すことを描かずに、この格好良さを表現したことはスゴイ。
現代では残念ながら、こういう映画は作れない。
『グエムル-漢江の怪物-』 狭い世界でのパニックを描いた 恐怖感が欲しかった。 監督:ポン・ジュノ, ハ・ジュノン 出演:ソン・ガンホ, ピョン・ヒボン,パク・ヘイル, ペ・ドゥナ |
前半部分に映画の面白さが集約されていた。
怪物が女の子をさらっていくまでは良かった。
怪物が現れ暴れて、人間がパニックになるところがやはりこの映画の一番の見どころ。
大きな組織が動いてゴチャゴチャやるよりは、もっと狭い世界でのパニック恐怖を見せた方がいい。
生きていて欲しい人が死んだりすると、ちょっとキツイところもある。
ご都合主義で主人公の周りの人ばかり生き残るわけにはいかない。
それでも生きていてくれた方が後味はイイ。
怪物の恐怖を表現するのには、大事な人を殺した方が恐怖感が増すので仕方のないことではあるが。
『四月物語』 リアルなようだが、 何か違和感を感じた。 監督:岩井俊二 出演:松たか子 |
松たか子はいつまでも見た目が変わらないので、時を経て今観ると違和感がある。
今と二十年前の容姿が変貌してないから、大学生と言われても困るのだ。
美しい世界観で主人公が妙におとなしいのだが、そのくせ近隣の住人に作ったカレーを持って行ったりと、何か違和感を感じた。
カレーを作って余ったから近隣の住人に持っていくなんて、昭和じゃあるまいし。
二十年位前の作品だが、何か違和感があった。
リアルに描こうとしている割には、リアルに感じとれない。
映画の持つ雰囲気はイイ。
岩井俊二監督が描く独特の空気感は、観ていてどこかしら心地イイものである。
この記事へのコメントはありません。