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映画『君たちはどう生きるか』ネタバレ・あらすじ・感想。

﨑駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』を観てきたのだ。

『君たちはどう生きるか』
オカルト満載のアニメーション作品。
この世とあの世の間の異世界。
監督:宮﨑駿
出演:山時聡真 , 菅田将暉 , 柴咲コウ , あいみょん , 木村佳乃 , 木村拓哉

 

解説

 
『風立ちぬ』以来10年ぶりの宮﨑駿監督による長編アニメーション作品。

 
宮﨑駿監督が原作・脚本も務めたオリジナルストーリー。

ポスタービジュアルでは宮「崎」駿ではなく、宮「﨑」駿と表記されている。

タイトルは宮﨑駿監督が少年時代に読んで感動したという吉野源三郎の著書『君たちはどう生きるか』から借りたもの。

『君たちはどう生きるか?』

吉野源三郎 (著)

Amazon

2023年製作/124分/G/日本
配給:東宝

 

あらすじ

 
1944年、東京への空襲で眞人は病院に入院していた母を火災で失った。

一年後、空襲から逃れるために眞人は父親に連れられ、母の実家へと疎開する。

疎開先では母によく似た妹の夏子が新しい母として待っていた。

心を閉ざしたまま過ごしていた眞人のもとに奇妙なアオサギが姿を現す。

 

感想

 
公開までその全貌が隠され秘密のベールに包まれていた本作。公開してからも音楽や主題歌、声優陣が明らかになる等はしたが、物語の内容については一切シークレットだ。

宮﨑駿の最新作となれば、それだけで話題になる。どれだけ必死こいて隠そうとしても、こじ開けて見たくなるのが心情。

そんなこんなで結局はヒットしている本作を僕も観に行かないワケがない。

ということで事前情報なしで劇場に足を運び「なるほど。戦時中の映画ね。『風立ちぬ』みたいな感じかな」と思ったが、「めっさオカルトやん」と一気に印象が切り替わった。

本作は賛否が分かれる作品だが、僕は賛。ファンタジーと思い作品を観れば理解出来ないかもしれないが、オカルトだと思って作品を観れば理解出来る。

主人公の眞人が異世界に行って「少女の頃の母」に出会い、異世界から帰還した現実世界で母は「一年間の記憶がすっぽり抜けて」いたが、眞人は異世界にある石を持ち帰ったことで記憶が消えることはなかった。異世界に行って時空を超えた体験をすることや、そこの土地の石を持ち帰ってはならないというのはオカルト好きなら耳にする話だ。

無論、異世界に迷い込んだまま戻って来れない人もしばしばいるだろう(残念ながら、その方の体験談は聞けることがない)。

眞人は異世界で「死」に近い世界を見てきたのではないか。「地獄」や「下の世界」と劇中でも表現していたが。黒い亡霊のような人たちや「わらわら」と呼ばれる地上へ生まれる前の人の魂のような存在が蠢いていたり、「この世」と「あの世」の間に迷い込んでしまったのだ。

大叔父のいる場所が「天国?」と呼ばれたように眞人が引き込まれた場所は、この世とあの世の間だと解釈してイイだろう。

同じく異世界にいる夏子の産屋では無数の紙垂(しで)で結界が張り巡らされていた。神社等で見かける紙垂はまさしく現世と聖域を隔てた結界である。

それを破ろうとした眞人は紙垂に封じられ「お母さん!」と夏子を呼ぶことで、夏子の意識が結界の外に向くと夏子までもが封じられそうになった。陰陽師の物語で見られるような光景が本作でも描かれていたのだ。

本作を「難解だ」「意味がわからない」との感想をよく目にするが、宮﨑駿は相当頭が良いので彼の中では全てロジックが通っているはず。彼の説明を詳しく聴けば物語は理解出来るだろう。しかし一から十まで作者に解説してもらうのも野暮な話。

作品を観た者がどう感じるのか。その感性が大事。

僕はオカルト視点で本作を分析すれば紐解けていけるのではないかと思う。

もちろん理解出来ない部分も多々。それは臨死体験みたいなもので、臨死体験者が体験したことの全てを瞬時に理解出来るわけがない。臨死体験した時に初めて見る光景ならば驚いて当然なのだ。

だからこそ本作で起こる事象に「意味がわからない」ではなく、初めて体験する出来事なのでわからなくて当然。眞人だって目の前で起きていることに理解が追いついてない。何故なら、本作は宮﨑駿監督のオカルト満載のアニメーション作品なのだから。

手放しで本作を「面白かった」とは思わないが、結構好きな作品になってしまった。オカルト視点で分析していくことで非常に楽しめる。

パンフレットも後日販売らしく「いやいや映画を観た時のテンションじゃなきゃ買わないでしょ」と思っていたのだが、今は早くパンフレットを販売して欲しくて仕方がない。

何度も引退騒動を起こしていた宮﨑駿監督の最新作を拝めるだけでも有難いことだ。

また数回観た上で深く考察したくなる映画であった、といったところで「カット、カット」。

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