凄い。
本当に、圧倒的に凄いです。
楽しみに待っていた『岡靖知画集』が届き、興奮を落ち着かせながら頁をめくる。圧倒的な技術での繊細な作品に、僕の瞳孔が大きく開きっぱなしになっているのが、自分でもわかる。
『岡靖知画集』は、岡さん自身が印刷での色合い等にこだわり、自身で出版された至極の逸品である。僕は、今回の発売情報を知った時から「絶対に買う!」と予約注文していたのだ。
「スッゲェ!」興奮と、「何なんだ!これは!」という驚きと、見れば見るほど、その美しき神がかり的な技術に深い溜め息が出る。これが「絵」だというのが驚きである。
多くの人が「写真」のようだと言うが、僕は「写真」よりも「本物」、いや「本物」よりも「本物」に見える。
瞳、まつ毛、唇、ほくろ、指、肌から浮き上がる拳の骨、透き通る血管、爪、服の質感、花びら、木の葉、光の陰影、・・・どれもこれもが凄い。
美しい女性の、しとやかな透明感のある佇まいが、優しい風が頬をそっと撫でるように、見る者の心を癒してくれる。
写真集を見ても、なめまわすように見ることはないが、岡靖知氏の画集は、なめまわすように見入ってしまう。
粗探しが出来ない。見れば見るほど緻密で繊細である。
優しい空気感、透明感、一筆一筆が髪の毛の一本一本、肌の細胞のひとつひとつまでをキャンバスに乗せていく。
人間技とは思えない。この技術の習得に一体どれほどの枚数の絵を描いてきたのだろうか。
多摩美術大学出身であるがデザイン学科だったらしく、一切油絵を学んでなかったという。独学でこの神がかり的な技術を習得したというのだから、もう何もかもに敬服する。
写経を書く時のように感情にブレがあっては描けない。乱れた感情では、これほどまでに繊細で美しい絵は描けない。邪念があると筆に表われる。
無心で描いているのか。思考を巡らせて描いているのか。
無音で描いているのか。クラシックでも流しながら描いているのか。
岡靖知氏は1983年生まれと、まだまだ若いが、人間としても達観しているのではないか。
まさに神の領域!!
超絶!オススメです!!
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