以前に展覧会へと足を運んだ『諸星大二郎展 異界への扉』の公式図録を購入。
展覧会に行った時には購入しなかったが、結局欲しくなって後々ネットで購入。手したのは昨年のこと。
『諸星大二郎 デビュー50周年記念 異界への扉』
諸星大二郎 (著) |
諸星大二郎先生のコミックに沢山触れてきたわけではない。むしろ接点がないまま大人になってしまった。
諸星大二郎先生の魅力に反応したのはごく最近のこと。
そこで2021年に展覧会を鑑賞。公式図録が気になったまま帰宅したが、やはり欲しくなって購入に至った。
諸星大二郎先生のの画風は非常に魅力的。現代の流行りの画風とは程遠いけれど(失礼!)、そんなものを超越した魅力に溢れている。
ペン先で丁寧に描かれた作品世界は漫画を最大限に生かして、漫画ならではの表現を発揮しているのだ。
コマ割りや構図、そのどれもが漫画が漫画であるからこその映像では表現出来ない世界を描いている。
またイラストに関しては、非常に絵画。アートである。
ダリ、マグリット、ゴヤ、そんな名だたる画家のインスピレーションを受ける諸星大二郎先生のイラストは見る者を「異世界」へ誘う。
描くジャンルも様々。ひとつの世界に捉われない幅広いジャンルを描いているが、どれも共通しているのは「異世界」である。
何だか、どの一コマ一コマを見ても「異世界」感が漂っていて仕方ない。
諸星大二郎先生の独特の画風には何故だか心を惹きつける底知れぬ魅力がある。
「異界の扉」がゴゴゴゴゴゴゴォッと開き出したような異音。それは果てしなく遠い世界ではなくて、ほんの日常の隣に潜む。「異界の扉」は誰もが普通に生活している日常の隣に存在するのだ。
本書では、そんな諸星大二郎先生の魅力を余すことなく詳細に書き記している。無論、僕自身が全てを読んだわけではないが、展覧会で鑑賞するのとはと違った公式図録での詳細な記録。
公式図録は読み応えバッチリ。マジでファンにとっては、かなりの優良本である。
そういえば僕はといえば、実は『妖怪ハンター』も全巻買い揃えていたが、全然読まないで眠らせたままだ。勿体ない。
展覧会に足を運び公式図録を眺めながら四の五を言う前に、肝心な「漫画を読め」ってことなんだけど。
漫画家生活50周年の軌跡は伊達ではないな。
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