ファイナルアンサー!、日本でも当時、大流行したクイズ番組を懐かしみながら『スラムドッグ$ミリオネア』を観た。
『スラムドッグ$ミリオネア』 スラム街でのシーンが特にイイ。 ファイナルアンサー? 監督:ダニー・ボイル 出演:デヴ・パテル フレイダ・ピント イルファン・カーン |
『トレインスポッティング』のダニー・ボイル監督が描いた、スラム育ちの青年の運命と過酷な半生を疾走感あふれるヒューマンドラマ。
主演はこの作品でデビューして、数々の映画賞を受賞したデヴ・パテル。
インドの外交官ビカス・スワラップによる原作小説を、『フル・モンティ』のサイモン・ボーフォイが脚色した。
第81回アカデミー賞では作品賞、監督賞ほか最多8部門を受賞。
2008年製作/120分/イギリス
原題:Slumdog Millionaire
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
テレビ番組「クイズ$ミリオネア」に出演して、賞金を獲得したジャマール(デヴ・パテル)だったが、インドのスラム街で育った少年が正解を知るはずがないと不正を疑われて逮捕される。
何故、ジャマールにこれほどの知識があって、この番組に出演するに至ったのか。警察の尋問によって真実が明らかになっていく。
アカデミー賞、8部門受賞で作品賞も受賞しているが、「貧困」や「格差」を扱った映画というのは本当に皆、好きだよなぁなんて思う。
是枝監督の『万引き家族』や韓国の『パラサイト』なんかもそうだが、外国の貧困に生きる人間の姿は心を興味をそそるのだろうか。この『スラムドッグ$ミリオネア』は、インドのスラム街を描いている。
僕も「成り上がり」ストーリーは好きだ。貧困から這い上がって成り上がっていく姿は胸を熱くする。
それにしても自分の体験によって知識を得て、クイズ番組で正解を連発していく発想は面白い。
面白いが二時間という尺の中で、それを連発することは、意外性も何もなくなってしまう。
「不正を疑われて逮捕」となるが、こんな急に証拠もなく突然逮捕するという状況は、ヤバイ社会である。
しかも警察は拷問で暴力を振るい電気まで流すというムチャクチャぶり。
最終問題、ジャマールは答えもわからないが、ただの「勘」なのか「運」なのか、意味不明のまま何故か正解してしまうという「ちょっと納得出来ない」正解であった。
最終問題を「意外な解答の導き出し方」で感動させて欲しかったが、そこは「勘」なのかよ!とツッコまざるを得ないのだ。
クイズに答えながら、スラム街でのヒストリーを回想していく見せ方や、音楽と共に疾走していく演出は面白かった。
貧困からの脱出、ミリオネアになるドリームは美しいが、運だけで得た大金は人を狂わせはしないだろうか?という疑問を投げかけたところで、「カット、カット」。
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