としまえんが閉園するという。そんな「としまえん」が全面協力した映画。
『としまえん』 都市伝説も竹中直人も謎。 全部、謎。 監督:高橋浩 出演:北原里英 小島藤子 浅川梨奈 |
東京都の老舗遊園地「としまえん」で囁かれる都市伝説を、としまえん全面協力のもとに映画化したサスペンスホラー。
監督は、『鉄道員(ぽっぽや)』などの助監督を務めてきた高橋浩。
元「NGT48」の北原里英が主演を務める。
小島藤子、浅川梨奈、松田るから若手女優たちが共演。
2019年製作/81分/G/日本
配給:東映ビデオ
高校時代からの仲がいい女子5人組は「としまえん」にやってきた。
噂になっていた“としまえんの呪い”を軽いノリで試すと、身の毛もよだつ怪奇現象に襲われてしまう。
呪いを解いて、遊園地から脱出しようとするが、仲間は一人ずつ姿を消していく。
彼女たちは、呪いの原因が高校時代の出来事と関係があるのではないかと考える。
好みの問題かもしれないが冒頭の「ビデオ撮影」のシーン。男女が肝試し感覚で「としまえん」で悪ノリしながら撮影して、心霊現象に襲われるというくだり。あの手法が好きではなくて、ドキュメンタリーを撮っているテイで心霊現象が起こるという珍しくも何ともない「しかもわざとらしい」手法はすごくイヤ。冒頭で、そのシーンが始まった瞬間に観るのをやめようと思ったが、面白くなること期待して観続けた。
女の子たちのグループものも好きじゃないのかもしれない。わざとらしい会話やノリが本当に苦手。
物語もかなり薄かったかな。
割と早い段階で「としまえん」に行く感じは良かった。ダラダラと長い前置きは観たくないので、とっとと「としまえん」でヒドイ目にあってほしいから。
何の意味もない竹中直人の登場もいらなかった。有名人がチョイ役で出る贅沢は、あのシーンでは不要。あの役柄は出来る限り無名の人が出ることで不気味さが出るものだから、「竹中直人やん」という余計なものはいらないのである。
物語が薄味だと思ったのは、やはり「消えた同級生」のことであろう。「としまえん」の扉をトントン叩いただけで、「悪霊感満載の幽霊」になるなんて、おかしな話である。あまりにも説明を端折り過ぎている。
もちろん意味なんてなくたって結構だ。意味不明で理解不能だから恐ろしいものなので、説明をすることが絶対ではないが、それにしても謎過ぎるのだ。「としまえん」の扉を叩いて中に引き込まれたら「悪霊になります」では、さっぱり意味がわからない。同級生にヒドイことをしてしまった過去も大事だが、もっと大事なのは「としまえん」にまつわる過去、怨念の歴史である。そこが描かれていないから全然意味がわからない。
最後、メリーゴランドで、幽霊になった同級生が笑っている恐怖!あそこで終わっていたら最高だった。あのシーンを観た時は「いいオチ」、いい終わり方だと思った。そしたら気を失ったらしく医務室か何かに運ばれていて、今度は医務室に同級生がやって来る。そして恐怖の表情で終わる。「え?いや、さっきメリーゴランドのくだりでやったヤツやん!」って思った。
同じカタチの驚かせ方を二度やる意味がわからない。メリーゴランドで驚かせて、気を失って医務室でもう一度驚かせる。メリーゴーランドで終わってくれていたら、最高に良かったのに勿体ない。大体、気を失ったとか、「あれは夢だったのか?」みたいな感じでベッドから目が覚めるのも好きじゃない。その描き方も安易でありラクな手法だから。
Jホラーは好きなので、また色々と観ていきたいといったところで、「カット、カット」。
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