エレベーター内で起こる密室劇が面白そうなので、『デビル』を観た。
『デビル』 密室劇の面白さを活かしきれていない。 悪魔の仕業ならば、まどろっこしい。 監督:ジョン・エリック・ドゥードル 出演:クリス・メッシーナ ローガン・マーシャル=グリーン ジェフリー・エアンド |
『シックス・センス』の監督であるM・ナイト・シャマランが長い年月をかけて練り上げてきたアイデアを、将来有望な映画作家たちが映画化するプロジェクト「ザ・ナイト・クロニクルズ」の第1弾作品。
『REC:レック/ザ・クアランティン』のジョン・エリック・ドゥードルが監督。
高層ビルで男が墜落死して、現場に急行した刑事ボーデン(クリス・メッシーナ)。
ロザリオを握りしめた死体に違和感を感じつつも、状況から自殺と判断した。
ちょうどその頃に、同ビルのエレベーターが突然停止。
エレベーター内に閉じ込められた5人の男女が、照明が消えるごとに1人ずつ無残な死を遂げるという奇怪な事態が起きていたのだ・・・。
エレベーターでの密室劇というだけで十分に面白そうな感じがしたのだが、どうもイマイチであった。
もっと伏線回収的な要素があるのかと思ったら、全然上手くない。
伏線回収の意図はないにせよ、密室で照明が消えるたびに殺人事件が起きるというだけの話。
推理要素も何もない。
何せ、悪魔の仕業なのだから何をやってもイイわけなのだ。
不可解な連続殺人事件が起こり、「悪魔の仕業だ」というだけの物語なのだ。
それをエレベーター内の人間と、エレベーター外の人間が騒ぎ合っているだけなのである。
もっと緊迫した感じや悪魔に繋がる伏線などがあれば、「なるほど!」といった感心もあるのだろうが、映画が終わってみても何も残らなかった。
悪魔を題材にした映画だから仕方ないが、「人間の殺人犯がいる」という設定の方が絶対的に面白いと思うのだが。
悪魔という設定であるならば、わざわざエレベーター内で殺害しなくてもイイ。
エレベーター内で起こる惨劇の面白さを台無しにしている気がする。
ラスト、ひき逃げによって妻子を失った刑事が、「お前を許す」「悪魔がいるのなら神もいるのだから」とうすら寒いことを言って物語を終えたが、僕はこの刑事がひき逃げ犯を思いきりブッ殺してくれたら最高の結末になっていたと思う。
何なんだ、「悪魔がいるのなら神もいる」って。
そんな理屈でひき逃げ犯を許せるかね。
自分の妻子をひき逃げされたんだぜ。僕なら八つ裂きにして山に捨てちまうね。
悪魔も悪魔で、ひき逃げ犯が懺悔をしたら、あっさり許しちゃう。どんだけ甘ちゃんなんだ。
もっとハードな悪魔を見せてくれ!、ってなところで「カット、カット」。
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