前作に引き続き、またもやアニメ作品である。
実写とアニメの融合だ。
今回は墨と筆を用いて、モノクロ映像での作品である。
しかもシャーペンで描いた下描きを消さないで、まんま使っているという。
週に一本のペースで作品を作るとなると、アニメの作画に時間をかけてられないのだ。
丁寧で細かく描写するとなると、かなりの時間を要することに。
だから下描きの線は消さないし、墨と筆でザッと素早く描く。
「黒い人形」というのも、筆で丸潰しで塗ってしまえば早いからだ。
デザインに凝り過ぎると描くのが大変である。
とても週に一本のペースでは完成させられないだろう。
墨と筆で描いたモノクロの世界観の中に、実写を融合させて、僕自身が出演する。
後はナレーションを吹き込んで、独特の異質な世界観を演出するのだ。
神社の境内に落ちていた黒い人形は謎だらけだ。
一体、どういった曰くのある人形なのか。
主人公の男は黒い人形を持ち帰ったことによって、不思議で不気味な体験をすることになる。
実は、この物語は僕が眠っている時に見た「夢」が元ネタになっている。
バラバラになったはずの人形が、ツギハギだらけで包丁を手に戻ってきた、そんな悪夢を見た。
眠っている時にまで映画のアイデアを考えてくれるので、眠ることもイイことだ。
それで今回は、この悪夢を活かして、不気味な人形の物語を作ろうということにした。
それにしてもアニメとの融合をすることで、実際にロケに行くこともなく、ロケ地を描くことによって作り上げて、人形などの小物も描くことで作り上げればイイのだ。
冬が苦手な僕にとって、暖房の効いた部屋で作品を作ることが出来るのは非常にありがたいことなのである。
「何たる甘ったれた精神か!?」
言い訳をさせていただくと、墨と筆で描くことによって、冬のカラカラとした枯れた表現が出来る。
モノクロで描いた枯れ木や曇天は、妙な寂しさと怪しげな雰囲気を醸し出す。
『黒い人形』を描く時に参考にしたのが、諸星大二郎先生、楳図かずお先生、つげ義春先生である。
独特な絵を描く漫画家先生たちだ。
先生たちの作品を参考にしながら、僕は今回、漫画のような映像を作り上げてみたかった。
漫画を読んでいるような感覚で映画を観ることをカタチにさせたい。
今回、『黒い人形』のポスターを制作するにあたって、諸星大二郎先生の『生首事件』をマネした。
『栞と紙魚子の生首事件』
諸星大二郎 (著) |
それでは、『黒い人形』をご覧ください。
『黒い人形』 上映時間8分 |
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