12月30日、スタジオジブリの最新作を観た。
『アーヤと魔女』 どこへ向かう? スタジオジブリ。 監督:宮崎吾朗 声の出演:寺島しのぶ、豊川悦司、濱田岳、平澤宏々路(ひらさわこころ) |
スタジオジブリのスタジオ初の長編3DCGアニメ作品。
『ハウルと動く城』の原作でも知られるダイアナ・ウィン・ジョーンズの同名児童文学を映像化。
『アーヤと魔女』
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1990年代のイギリスを舞台にして、自分が魔女の娘とは知らずに育った少女アーヤが、奇妙な家に引き取られて、意地悪な魔女と暮らすことになるのだが・・・。
宮崎駿が企画、宮崎吾朗が監督を務める。
主人公アーヤの声を若手女優の平澤宏々路が担当、寺島しのぶ、豊川悦司、濱田岳らがキャストとして揃う。
2020年・第73回カンヌ国際映画祭(新型コロナウイルスの影響で通常開催を見送り)のオフィシャルセレクション「カンヌレーベル」作品。
NHK総合で2020年12月30日放送。
2020年製作/日本
舞台は、1990年代のイギリスで主人公は10歳の少女、アーヤ。
赤ん坊の頃から孤児として育ったアーヤだったが、誰もが自分の思いどおりにしてくれる孤児院での生活を快適に過ごしていた。
「誰かに貰われたい」と、一度も思ったことが無い。
ところがある日、突然やってきた二人組の派手な女と長身の男に引き取られることになってしまう。
「あたしの名前はベラ・ヤーガ。魔女だよ。あんたをうちにつれてきたのは、手伝いがほしかったからだ」。
そう名乗った女に、アーヤは、「じゃ、決まりね。おばさんが私に魔法を教えてくれるかわりに、私がおばさんの助手になったげる」と言葉を返す。
だが、ベラ・ヤーガはアーヤを助手としてこき使うばかりで、いくら頼んでも、いくら仕事を頑張っても、一つも魔法を教えてくれない。
魔女と一緒に暮らす怪しげな男マンドレークは、食事時しか顔を見せず、いつも不機嫌そうで口癖は「私をわずらわせるな」。
生まれて初めて“思いどおりにならない”壁にぶつかったアーヤだったが、「負けるもんか」と反撃を始めて、周囲の人を操って、自分の思い通りにさせてしまっていく。
2020年12月30日にNHKで放映されたスタジオジブリの最新作『アーヤと魔女』を観た。
宮崎駿が企画で、息子である宮崎吾朗が監督したアニメーションだ。
もちろん楽しみに観させていただいたが、「ジブリは魔女好きだね~」という第一印象である。
ジブリ出身のスタジオポノックの米林宏昌監督が手掛けたのも『メアリと魔女の花』という魔女モノであった。
今回の宮崎吾朗監督の『アーヤと魔女』は、企画が宮崎駿とはいえ、米林監督にしても、「宮崎駿監督と同じことをしていては宮崎駿監督を抜けない」とシンプルに思う。
『魔女の宅急便』という名作を作った宮崎駿監督に、果たして魔女モノで宮崎駿監督に勝てるだろうか?
しかもジブリ出身者では到底難しい話だ。
ジブリの絵柄をまんま受け継いで、ジブリイズムを継承されている者が宮崎駿監督の『魔女の宅急便』には勝てない。
新海誠監督とか全然別の畑から出てきた人で、イズムを継承していない人ならば、まだ可能性はある。
それにしても本作で3DCGで作品を作ったことは凄い!
やはり時代の変化とともにジブリのスタイルも変化していかなければ、衰退の道を辿ることになる。
作品としては良かったが、ジブリ作品としては「何で、コレをする?」という『レッドタートル ある島の物語』という映画も、今までのジブリではない変化をしようとしていたのではないだろうか。
肝心な『アーヤと魔女』の感想ではあるが、可もなく不可もなくという感想である。
酷評もされない、絶賛もされない作品。
「安全運転でございます」と言った作品であろうか。
ハラハラドキドキするようなシーンがあるわけではないので、年末にフツーにジブリの新作を楽しんで観るぐらいの物語だ。
お転婆なアーヤがもっともっと大暴れして、周囲をかき乱して、最後にスッキリとしたハッピーエンドがあれば面白かった気がするが。
あとは宮崎駿監督が現在制作中の『君たちはどう生きるか』の完成を待つことにしよう、といったところで「カット、カット」。
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