庵野秀明監督が描く『シン・仮面ライダー』を観たのだ。
『シン・仮面ライダー』 悲愴な顔をしたヒーローに魅力なし。 怪人はテンション高くてGood! 監督:庵野秀明 出演:池松壮亮 浜辺美波 柄本佑 |
石ノ森章太郎原作の「仮面ライダー」50周年プロジェクトとして庵野秀明が監督を務めた特撮アクション。
仮面ライダーこと本郷猛を池松壮亮、ヒロインの緑川ルリ子を浜辺美波、仮面ライダー第2号こと一文字隼人を柄本佑が演じる。
西野七瀬や塚本晋也、森山未來などが共演。
2023年製作/121分/PG12/日本
配給:東映
望まぬ力を背負わされ人でなくなった男と、与えられた幸福論に疑問を抱いた女。
SHOCKERによって高い殺傷能力を持つオーグメントと化した本郷猛(池松壮亮)は、組織から生まれるも反旗を翻した緑川ルリ子(浜辺美波)の導きで脱走した。
迫りくる刺客たちとの壮絶な戦いに巻き込まれるが、力を得てもなお「人」であろうとする本郷。
自由を得て「心」を取り戻したルリ子。
運命を狂わされたふたりが選ぶ道とは・・・。
賛否が分かれる本作というよりも「シン」シリーズは毎度賛否が分かれる程に話題作であると言える。
「仮面ライダー」ファン、「庵野秀明」ファンの方々の見解で意見が分かれそうな感じはする。
先ず映画を楽しむフラットな視点で観た時に、本作を面白いとは言えないのが消化不良な気持ちだ。
オープニングで仮面ライダーがショッカーを相手に血しぶきをあげながら残酷に殺戮していくシーンは中々面白く、今までにない「仮面ライダー」が始まる予感と期待が高まった。
しかし、その戦闘に関して苦悩する主人公はハッキリ言って、まどろっこしい。
「とっとと、どんどん倒していけや」しか思えないので、苦悩するぐらいならば残酷描写はなくした方が良い。
池松壮亮も終始テンションが低い役柄なので、ボソボソ喋り悲愴な面持ちをしていると、観ていて萎えてくるのだ。
敵役の怪人たちが明るくテンションが高かったので、怪人たちの登場は楽しめる。
仮面ライダー2号は1号とは対照的でテンション高く好戦的で、池松壮亮も柄本佑も非常に良い役者なのだが、どうも仮面ライダーに魅力を感じない。
何よりも竹野内豊と斎藤工のキャスティングは間違っていたのではないか。
黒スーツ姿の二人の男のビジュアルがカッコ良すぎて、「こいつら仮面ライダーやればイイんじゃね?」と思ってしまう。
斎藤工は『シン・ウルトラマン』でウルトラマンだったし、どうも正義のヒーロー顔しているので、ライダーベルトが良く似合いそうだ。
竹野内豊も50代ではあるが、政府の男としてよりは正義のヒーロー顔。
彼らが仮面ライダーを演じないのであれば、黒スーツの二人はイケメンではないオジサンに演じさせた方が良い。でなければ仮面ライダーのカッコ良さが際立たない。
浜辺美波に関してはよくわからなかった。可愛くなければ何の意味があるのか。
肝心なアクションシーンも興奮せず。TVで観ていた仮面ライダーの方が楽しめたかな。
注目が集まる中で根強いファンがいる作品を新しく作るのは中々難しい、といったところで「カット、カット」。
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