なんだか評判がイイ作品ということで、『フォードvsフェラーリ』を観た。
『フォードvsフェラーリ』 懐かしき匂いのする友情物語。 フェラーリに立ち向かう人間ドラマがある。 監督:ジェームズ・マンゴールド 出演:マット・デイモン, クリスチャン・ベール, ジョン・バーンサル, カトリーナ・バルフ, トレイシー・レッツ |
1966年、ル・マン24時間耐久レースで絶対王者フェラーリに挑んだフォードの男たちを描いた。
マット・デイモンとクリスチャン・ベールが初共演でダブル主演。
『LOGAN ローガン』『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』のジェームズ・マンゴールドが監督。
第92回アカデミー賞で作品賞を含む4部門でノミネート。
編集賞、音響編集賞の2部門を受賞。
2019年製作/153分/G/アメリカ
原題:Ford v. Ferrari
配給:ディズニー
フォード・モーター社からル・マン24時間耐久レースでの勝利という使命を受けた元レーサーのカーデザイナー、キャロル・シェルビーは、型破りな英国人レーサー、マイルズの才能に目をつける。
限られた予算と時間の中で力を合わせた二人は、常勝軍団のフェラーリとの闘いに挑むのであった。
2019年に製作された映画であり2020年の1月に公開された映画で、1966年を舞台に車を通して描かれた人間ドラマではあるが、かなり「現代っぽくない」質感の映画であった。
男たちの熱い夢がそこにはあり、泥臭い汗と友情にまみれて、「速く走る」ことに命を懸けた物語である。
まるで漫画を読んでいるかのような登場人物と、その言動の全ては、イイ意味で映画を熱くさせる。
特に僕自身は車ウンヌンに興味はない。
ただフェラーリという絶対的王者に立ち向かっていくドラマは嫌いではない。
ラスト、3台揃ってゴールをするという提案を仕掛けられて、1位を独占していた主人公も、まるで「運動会のかけっこは順位を決めないで全員でゴール」という気持ち悪い形式の中で感動シーンを呼び込むはずであったが、キタナイ大人の利権と事情が絡んでいて、車で全員撥ね飛ばしてやろうか、と思った。
そこはそこで、この映画のカタルシスがあるので問題はないのだが(そもそも実話だし)、クリスチャン・ベールが事故で死んでしまうくだりは好きではない。
「死」を感動に持ってくる描き方は好きではない。
僕にとっては非常にセコい手段なのだ。
愛する人が死んでしまう、それで感動を呼び込もうなんて、こざかしい。
ただ実話であるから仕方ないし、感動のお涙頂戴シーンにはせずに、あっさりと描写していたことは好感が持てる。
『フォードvsフェラーリ』、車には興味はないが、男たちの汗と友情、そこに付随する人間ドラマは面白い!ってなところで「カット、カット」。
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