小泉今日子がプロデュースということで『ソワレ』を観た。
『ソワレ』 絶望を駆け抜ける二人。 哀しく美しい物語。 監督:外山文治 出演:村上虹郎 芋生悠 江口のりこ |
豊原功補、小泉今日子、外山監督らが立ち上げた映画制作会社・新世界合同会社の第1回プロデュース作品。
村上虹郎と芋生悠演じる若い男女の切ない逃避行を描いたドラマ。
監督は、『燦燦 さんさん』の外山文治。
2020年製作/111分/PG12/日本
配給:東京テアトル
俳優を目指して上京した翔太は、俳優では芽が出ずに悪戦苦闘の日々を過ごしていた。
ある夏、翔太は故郷の和歌山にある高齢者施設で演劇を指導することになり、その施設で働くタカラと出会う。
数日後、祭りに誘うためにタカラの家を訪れた翔太が目撃したのは、刑務所帰りの父親から激しい暴行を受けるタカラの姿。
とっさに止めに入る翔太であったが、逃げ場のない現実に絶望してたたずむタカラ。
翔太はタカラの手を取り、夏の街の中へと二人は駆け出していく。
豊原功補、小泉今日子、外山監督が立ち上げた映画制作会社・新世界合同会社の第1回プロデュース作品ということで観てみた。
村上虹郎はやはり演技が上手い。どこかしらフツーっぽさも持っていて、貴重な役者である。
タカラという女性の家を訪ねたことにより運悪くクソ親父に乱暴されている場面に出くわしてタカラを助けたところまでは良かったが、タカラがクソ親父もナイフで刺してしまうという最悪の事態が起こる。
一時は救急車を呼ぼうとしたものの、一緒に逃避行しちゃうんだからスゴイ奴。
以前からの友達とか恋人関係、自分が好意を抱いている相手ならまだしも、こんなタカラとかいう女性、僕ならすぐさま救急車呼んで警察に突き出す。一番関わりたくないタイプ。
自分の悲劇な境遇には同情するがネガティブな表情でずっと立ち振る舞って、おまけに人をナイフで刺すような女性と一緒にいたくない。首根っこ捕まえて警察に突き出しちゃう。事情は警察で話せばいい。関わらないでって。
だが彼も元々自暴自棄になっていた節があったのだろう。確かにそんな精神状態だったら一緒に逃げ出しちゃうかもしれない。
捕まって刑務所に放り込まれるのはイヤだが、逃亡しているドキドキ感といったらハンパない。
逃避行には海が似合う。映画の画(え)的にはすごくイイ。だけど逃亡している二人がいたら目立っちゃう。
若さゆえの無謀さや苛立ち、葛藤があり、切なくも苦しく美しい物語でイイ映画であった、といったところで「カット、カット」。
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