かなり大好きな作品になった今回初めて観た『ミッドナイトクロス』。
『ミッドナイトクロス』 最高のクライマックス。 華麗なる演出テクニック。 監督:ブライアン・デ・パルマ 出演:ジョン・トラボルタ, ナンシー・アレン, ジョン・リスゴー, デニス・フランツ, ピーター・ボイデン |
自動車事故の真相を究明しようと、陰謀に巻き込まれながらも奔走する主人公の姿を描いたサスペンス・スリラー。
ブライアン・デ・パルマが監督。
主演はジョン・トラボルタ。
J・リスゴー扮する不気味な殺し屋とのチェイス・シーンがテンポ良く展開される傑作。
1981年製作/113分/アメリカ
原題:Blow Out
B級恐怖映画の音響効果マンのジャックは、風の音を録音中に自動車事故を目撃する。
川に落ちた車からサリーという若い女性を救助したが、同乗していた死亡者が次期大統領候補だったことを知り、事件の背後には政治がからんでいることに気付く。
彼は、録音テープに収められた音から、これが狙撃によって起きた事件だと確信する。
やがてサリーの正体も明るみになっていく。
デ・パルマ監督の本作を初めて観たが、かなり衝撃的で非常にお気に入りの一本になった。
音響効果の録音中に事件と遭遇して、一人の女性の命を救い、事件の真相を追っていくという物語も興味をそそる。
事件の真相に迫りながら、少しおバカなヒロインのサリーと心を通わせていく二人の関係も微笑ましくある。
願うならば、幸が薄そうなサリーと過去にトラウマを抱えるジョン・トラボルタの二人には幸せになって欲しいものだ。
事件の真相に迫り、全てをテレビで公表しようと動き出したところから、逆に大ピンチへと追い詰めれていく。
列車に乗ったサリーの行方を失ってしまったジョン・トラボルタは、音声を頼りに車を暴走させてサリーの行方を追う。
しかし街は盛大なパレードの真っ最中であり、車が通り抜けることも出来ない状態だが、ジョン・トラボルタはサリーの命を再び救い出すためにパレードのど真ん中に突っ込んでいく。
フツーの映画ならばスリリングな場面を切り抜けて、サリーの元へと駆けつけるはずだが、思いっきり事故を起こして気を失ってしまうジョン・トラボルタ。
そんな展開を誰が予想していただろうか?
大体、映画でカーチェイスをしても主人公は幾つもの大惨事に繋がりかねないピンチをくぐり抜けたり、銃撃戦があっても弾丸は主人公に命中することなく突っ走っていくではないか。
事故を起こして救急車の中で目を覚ますジョン・トラボルタだが、すっかり辺りは暗くなってしまっていた。
慌てて救急車を飛び降りて、サリーの元へと駆けつける。
フツーのヒーローなら間一髪のところで、間に合うではないか。
カメラワークやスローモーション、デ・パルマ監督の演出が冴えわたり、ハラハラドキドキのクライマックス。
ってか、間に合わへんのかいっ!
最高だ、最高過ぎる!!
サリーの死と、無念のジョン・トラボルタのバックに打ち上がる美しい花火。
主人公はいつも間一髪助けに現れるのが定番であるが、個人的にすごく疑問だった。
間に合わない場合だってあるだろう?と。
その疑問を見事に吹き飛ばしてくれた素晴らしきバッドエンド。
ラスト、サリーの悲鳴がB級映画の音響効果に使用された時、衝撃的であった。
『ミッドナイトクロス』最高!デ・パルマ最高!と雄叫びをあげていたのであった、といったところで「カット、カット」。
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