一風変わったゾンビ映画『ゾンゲリア』を観たのだ。
『ゾンゲリア』 はじめよう、ゾンビ生活。 眼中注射はやめてね。 監督:ゲイリー・A・シャーマン 出演:ジェームズ・ファレンティノ, メロディ・アンダーソン, ジャック・アルバートソン, デニス・レッドフィールド, ナンシー・ロック・ハウザ |
テキサスの田舎町で連続殺人事件と、死者たちが蘇りゾンビとなって町を襲う恐怖映画。
監督はゲーリー・A・シャーマンが務める。
ジェフ・ミラーとアレックス・スターンの原案を基に、『エイリアン』コンビのロナルド・シュセットとダン・オバノンが脚本。
顔面溶解や遺骸復元のシーンなどの、『ターミネーター』のスタン・ウィンストンが手がけた特殊メイクも見どころ。
1980年製作/アメリカ
原題:Dead & Buried
配給:日本ヘラルド
ニューイングランドの静かな漁村ポッターズブラフで異常な猟奇殺人が続発する。
事件を追う保安官のダンは、葬儀屋のドッブスに不審を抱く。
ドッブスは無惨な遺体を死化粧で完璧に復元する作業に執念を燃やしていた。
墓地からは死体が消え、町中で死んだ者たちの姿を見たという奇妙な噂が広がる。
ゾンビが人々を襲うパニック映画かと思いきや、一風変わったゾンビ映画で、ゾンビ(蘇った死人)は生きている人間と何の変哲もなく生活している。
ゾンビというモノが恐ろしい存在だと認識しているが、見方を変えれば、素晴らしい世界のはじまりではないだろうか。
ゾンビとなった彼らが殺人事件を繰り返すという悪行は受け入れられないが、「生きている人間かのように」ゾンビが生活しているというのは、害がなければ全然イイではないか。
ガソリンスタンドで働いているゾンビもいるのだから、人間社会に溶け込み、しっかりと経済活動をして納税してくれるのならば、生きているか死んでいるかの違いだけで何ら問題はない。
主人公の男は結果、妻がゾンビであったことも気付かなかったし、自分自身がゾンビであったことも気付きはしなかったのだ。
衝撃のラストを迎えた時、「ナイト・シャマランの『シックス・センス』よりも全然イイじゃないか!」と感動すら覚えた。
ゾンビが次から次へと襲ってくるパニック映画と思っていたので、こんなに良く出来た脚本だと知る由もなかった。
オープニングからゾンビ映画とは思えないほど美しく静かな音楽と海辺のシーンが映し出されて、「あれ?DVD入れ間違えたっけ?」と戸惑ってしまうほど。
暗闇でのシーンも上手く撮影されていて、絶妙な暗さと、暗くなり過ぎず明るくなり過ぎない明るさの中で、ゾンビたちが殺人を決行する映像が非常に良かった。
ゾンビたちが普段はフツーに生活しているシュールさに、恐ろしくもあり微笑ましくもある作品であった、といったところで「カット、カット」。
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