内容もあまり知らないで、殺人ピエロの映画を観た。
『テリファー』 非常に怖い。良作。 陽気な得体の知れない殺人ピエロ。 監督:ダミアン・レオーネ 出演:ジェナ・カネル サマンサ・スカフィディ デヴィッド・ハワード・ソーントン |
ハロウィン・パーティの帰り道で、タラとドーンはダイナーで酔い醒ましをするために。
そこに現れたのが、ゴミ袋を担いだピエロメイクの男。
彼はタラに熱視線を送り続けるが、その姿にタラは不気味がる。
しばらくするとピエロメイクの男は、店のトイレで何か問題を起こしたようで追い出されてしまった。
タラとドーンも店を出るが、止めておいた車がパンク。
そこからタラは一晩中ピエロメイクの男に追われるはめになる。
おいおいおい、こりゃ油断していると小便チビッちゃうよ。
なかなか怖かった。
ジェイソンやITよりも、全然こっちの方が怖い。
この殺人ピエロ、何をしでかすか全くもってワカラナイ。
陽気なピエロを演じれば演じる程に、その恐怖は倍増していく。
陽気と恐怖の振り幅を大きく作ることで、その緊張感や迫りくる殺人の影に観ている者にもひしひしと伝わってくるのだ。
これから劇中で襲われる人と自分自身が一体化して、逃げ出したくなるような気持ちに駆り立てられるのである。
大いなる残酷描写と相対的に楽しそうに笑うピエロ。
彼にとっては殺人は、ただの遊びに過ぎない。
唯一、心底に楽しめる娯楽なのであろう。
人の死体をおもちゃのように扱い、逃げ惑う人を追い詰めることでゾクゾクとエクスタシーを感じている。
『テリファー』って、ほとんど内容を知らないで観たから、余計に怖くなる。
メジャーな殺人鬼映画って、観る前から大体の恐怖への予測がつく。
ジェイソンが襲ってくる感じというのは、多くの人たちの頭の中にインプットされていて、ある程度の想像が出来るのだ。
だから想像よりも怖ければ怖いし、当然だが想像以下だと怖くはない。
『テリファー』は想像が未知であるために、自分の恐怖の想像予測が付かず、どんどん怖くなってくるのだ。
また劇中で、誰が生き残って誰が殺されてしまうのかの予測も付かなくなる。
このピエロと関わった人、皆殺されちゃうんじゃないかっていう程に、片っ端から殺していく。
殺人を楽しんでいるのかと思えば、拳銃を使って、あっさり殺しちゃったりする。
殺人鬼ものの映画を観ても、あまり怖いと思わないし、逆に「殺人鬼を応援している」自分がいるのだけど、この『テリファー』に関しては、ただシンプルに自分が「追い詰められている」錯覚になるほど怖いのだ。
『テリファー』、殺人鬼映画の中で非常に良作であった、ってなところで「カット、カット」。
この記事へのコメントはありません。