実写化された『東京リベンジャーズ』を観たのだ。
『東京リベンジャーズ』 バッチリなキャスティング。 二時間にまとめ上げた良作。 監督:英勉 出演:北村匠海 山田裕貴 吉沢亮 |
和久井健のコミック『東京卍リベンジャーズ』を、北村匠海が主演を務め、山田裕貴、杉野遥亮、今田美桜、間宮祥太朗、吉沢亮ら豪華若手俳優の共演で実写映画化。
『映像研には手を出すな!』『ぐらんぶる』の英勉が監督。
2021年製作/120分/PG12/日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
フリーターの花垣武道(北村匠海)は、高校時代の恋人・橘日向(今田美桜)と彼女の弟・直人(杉野遥亮)が巨悪組織・東京卍會の抗争に巻き込まれて死ぬことを知る。
その翌日、駅のホームで何者かに背中を押されて迫る電車の線路に転落した武道は、目を覚ますと不良学生だった10年前にタイムリープしていた。
過去の世界で武道が直人と出逢い、「10年後日向は殺される」と伝えたことにより未来が変化する。
現代に戻った武道は死の運命から逃れ刑事になっていた直人と出会い、「10年前に戻り、東京卍曾を潰せば日向を助けられる。力を貸して欲しい」と言われ・・・。
珍しく原作コミックを読んでから実写版を観ることになった本作で、劇場公開前から秘かに「観に行こっかなぁ」と思っていたりしたのだが、アニメの大人気ぶりもあり、劇場に観に行ったら中高生やイケメン目当ての女子たちの中に混じったオジサンがポツンといる虚しい光景が目にチラついて、結局劇場に足を運ばなかった。
コミックは全巻を大人買いして一気読みしていたのだ。
実写化するにあたって最大の懸念点は「この物語をどーやって二時間にまとめるんだ?!」ということ。
先ずは、漫画では中学生である設定を高校生にしたのは正解だ。さすがに中学生役を演じるのは無理がある。
キャスティングもナイスバッチリ決まっていたと思う。
驚いたのはヒロインである橘ヒナタ役の今田美桜がモーレツに可愛かったことだ。
橘ヒナタ役としてもバッチリだし、漫画版に引けを取らないほどの可愛さにビビッた。
弟のナオトは成人している時は問題ないが、「中学生役は無理あるやろーっ!」と設定が受け入れられないほどに図体がデカい。
公園で中学生のナオトがイジメられていたが、「そんな図体のデカい中学生をイジメないやろ~っ」と違和感ありまくり状態であった。
マイキーやドラケン、その他のキャラクターたちもキャスティングが良かった。
マイキーを違和感なく演じられる吉沢亮のカッコ良さは異常。
膨大な物語を二時間に上手くまとめ上げることに成功した実写化であった。
流石に原作通りに忠実に描くことは出来ないので、それを踏まえた上で実写化実現に向けて考え練り込まれた作品である。
続編の製作が決定しているので良しとするが、続編がなかったとしたら本作だけでは不親切であることは否めない。
やはり本作での重要人物である稀咲鉄太との因果関係は不完全燃焼のまま終わっているので、作品単体として観た時に「アイツは何やったん?」と疑問が残る。
漫画やアニメを観ていた人には理解出来ても、実写版だけを観た人には後味の悪さが残るのではないだろうか。
だからと言って本作で稀咲鉄太との対決を描けるほどの尺はない。
ヒナタの死を回避することが本作においての重要なミッションであり、ミッションをクリアすることで映画が終わるというのは正しい構成なのだ。
続編製作が決定したことによって、本作で回収しきれなかった物語が次作に活きてくるので、結果的には良かった。
漫画を読んでいた時には気にならなかったが、ナオトがタケミチに「佐野万次郎を殺してください」という指令は、かなりバカな指令だと思った。
「佐野と稀咲を出逢わせないようにする」はイイが、「佐野万次郎を殺してください」はメチャクチャだ。
そのミッションをクリアさせたら、タケミチは少年院入りである。
未成年犯罪の刑罰が緩いからといって、刑事であるナオトがタケミチに殺人を勧めることに関しては、かなり頭の悪い発想だ。
もうちょっと他の案を考えて、佐野万次郎が悪事に手を染めず、タケミチが殺人者にならない方法を勧めて欲しいものである。
とにかく個人的にはガッカリさせられる実写版ではなく、楽しめて観られる実写版であった、といったところで「カット、カット」。
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