タランティーノ作品が多い。
前回観た『パルプ・フィクション』の面白さが、じわじわとやって来る。
観ている時には気にならなかったことが、観終わってからパズルのピースを埋めるが如く色々と見えてくる。
『金メダル男』 アイデアは面白いが、 エピソードの一つ一つが雑。 監督:内村光良 出演:内村光良, 知念侑李, 木村多江,ムロツヨシ, 土屋太鳳 |
今や本当にテレビでお笑いをやっているのはウッチャンだけなのかもしれない。
好感が持てる。
かつてお笑い一筋だった松本人志は職人気質で渋い顔をしながら(勝新太郎や立川談志のように)、コントやお笑い映画を作っていく人だと勝手に思い込んでいたが、ワイドショーのコメンテンターとしてまともな事を言い、飲み歩き番組でボケているのは役者さんやゲストで、昔の人殺しのような険しい顔つきはなく、ただのファミリーパパになってしまった。
ウッチャンは今でもコントを作り、お笑い映画を作り、後輩芸人を可愛がり、その姿勢にとても好感が持てる。
そんなウッチャンが撮った『金メダル男』はアイデアは面白いが、エピソードの一つ一つが弱い。
感情移入出来ない。
学生時代に初めて出来た友達と大人になってから再会したシーンも全然感動しない。
主人公であるウッチャンが学生時代に土屋太鳳に惚れていて、再会した友達に、その後の土屋太鳳のことを聞かされるのだが、「はぁ?」その話いるかぁ??と思った。
全然胸が締め付けられへん。
エピソードが弱く、描き方が全て弱い。だから後半に活きるものも活きない。
再会した学生時代の友達が土屋太鳳と結婚したというエピソードならば、面白いとは思うが。
『フォレストガンプ』的に色んなモノを詰め込んでいたが、全てのエピソードが弱く、全てがコント的に描かれていて感動出来ない。
感動はおろか笑えないのだ。
一つ一つのエピソードを丁寧に描き、コント的ではなくドラマを描いた方が笑いも感動も生まれたはずである。
しかし学生時代を演じた知念侑李は良かったし、「面白いものを作ろう!」というウッチャンの顔が見えてくるの好感も持てた。
始終飽きないで見れたのは間違いない。
『フロム・ダスク・ティル・ドーン』 クソ面白すぎ!! 内容知らないで見たらビックリ。 監督:ロバート・ロドリゲス 出演:ジョージ・クルーニー,クエンティン・タランティーノ,ハーベイ・カイテル |
内容を全然知らないで観ていたが前半の展開も面白く、どう展開していくのかと思っていたが、突然以外な展開へと転がり、バカバカし過ぎて面白い。
それにしてもジョージ・クルーニーがカッコイイ。
悪役だが何故か応援してしまう。
敵に回すと厄介だが、味方になってくれると頼りになる。
ハチャメチャ感が面白く、かなり好きな作品。
『キル・ビル Vol.1』 好きなモノを詰め込んだ、 何でもありの見事なる復讐劇!! 監督:クエンティン・タランティーノ 出演:ユマ・サーマン、ルーシー・リュー、ヴィヴィカ・A・フォックス、マイケル・マドセン |
「よくぞ、ここまで自分の好きなモノを詰め込んだな」というのが、かえって気持ちがいい。
ガンアクション、チャンバラ、カンフーあり、自分の好きな役者さんを沢山出演させ思いきり暴れ回ってもらう。
タランティーノ自身のための映画であるように見えるが、しっかりと観ている人を楽しませてくれる。
日本人も沢山出演して、チャンバラでバッサバッサ斬っていくシーンは痛快である。
『キル・ビル Vol.2』 世界観は1の方が好きだったが、 1とは違う復讐の見せ方は面白い! 監督:クエンティン・タランティーノ 出演:ユマ・サーマン、デヴィッド・キャラダイン、ダリル・ハンナ |
映画の世界観は1の方が好き。
ブルース・リーのスーツ姿で、日本刀を手に日本のヤクザと戦うシーンはカッコ良かった。
2ではピンチの窮地にも追い込まれるし、「んな、アほな!」みたいなシーンもある。
1でも描かれているが、悪役にも悪役の事情があり悪役の人間ドラマがある。
ぶっちゃけ悪役の事情なんて、個人的にはそんなことはどうでもいい。
悪役はとことん悪役の方がやられた時の気持ち良さがあるし、悪役のドラマを描くことで物語がどんどん長くなってしまう。
ただでさえタランティーノの映画は長く、フツーは描かないような会話やドラマを長々と描いているので、もっとギュッと短く出来るだろうと思ってしまう。
その長さは必要だったのだと思わせるチカラと、最後まで楽しませるエンターテイメント作品になっているのはタランティーノの凄いところではあるが。
今更だがタランティーノ作品は面白い。
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