サム・ライミ監督の絶賛ホラー作品を観たのだ。
『ウィッチサマー』 テンポ良く展開される物語。 子供に塩を振りかけたらイイ? 監督:ブルット・ピアース ドルー・T・ピアース 出演:ジョン・ポール・ハワード パイパー・カーダ ジェイミソン・ジョーンズ |
1000年の時を生きてきた森に潜む魔女に立ち向かう少年の戦いを描いたホラー。
『ゾンビ・ヘッズ 死にぞこないの青い春』のブレット&ドリュー・T・ピアース兄弟が監督・脚本。
『ファースト・ドッグ 大統領のわんちゃん』のジョン=ポール・ハワードが主人公ベンを演じる。
パイパー・クールダ、ジェイミソン・ジョーンズ、アジー・テスファイらが出演。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、アメリカでは大作映画が次々と公開延期される中、ドライブインシアターで公開されて話題になった。
2020年製作/95分/アメリカ
原題:The Wretched
配給:AMGエンタテインメント
17歳の少年ベンは両親が離婚したことで父親と過ごすことになるのだが、ある日、隣の家に住む少年のディロンが、母親の様子がおかしいと訴えてくる。
ベンは窓から監視を始め、父親と母親はいつも通り生活していたと思えたが、ディロンの姿がある日突然消えてしまう。
全米で6週連続一位を記録したり、サム・ライミ監督が絶賛をしていたということで観てみることにした本作。
隣の家に住んでいる奥さんの身体が魔女に乗っ取られてしまったことにより不可解な出来事が頻発して、17歳の少年と魔女がバトルを繰り広げることになる物語でテンポ良く展開が進むこともあり、確かになかなか面白い作品であった。
サム・ライミ監督が絶賛していたが、サム・ライミ監督が監督をしていた方が面白かったであろうジャンルの作品である。
サム・ライミ監督と比較するものではないが、サム・ライミ監督の『スペル』の方がよっぽど気持ちの悪い魔女感満載だったので、魔女の不気味さにはまだまだ物足りなさがあったのも事実なのだ。
本作の魔女描写が古くから人々に言い伝えられたきたものなのか、本作でのオリジナルなのかは不明だが、「身体を乗っ取り操る」「子供を喰らう」「記憶を消す」「花を枯らす」ことに加えて、「塩が弱点」という設定がなされていた。
元々の言い伝えならば、そのルールを上手く活かして物語が作られていると感心するが、オリジナル設定ならば物語を作りやすいように設定されたルールとも言える。
「塩が弱点」ということだが、子供を生のまま喰らうよりも、塩を少々振りかけて食してみれば美味しさも格別になると思うが、それは無理な話なので仕方ない。
というか玄関の前に塩を撒くよりも、子供に塩を振りかけてしまえば魔女に連れ去られることはないのではないか。
塩まみれの子供ならば魔女に襲われることもないし、魔女にとっては「塩対応」でメンタル的にも弱らせることが出来る。
あまりイケていない少年を主人公にしたことと、あまり可愛くない少女をヒロインにしたことで、大嘘の世界観にリアリティーをもたらせていた点が良かった。
また主人公のベン自身も最初から記憶を消されていて、弟の存在を「視聴者と共に」知らないまま伏線回収していくシーンも良く、ラストのハッピーエンドと見せかけたバッドエンドも上手く構成されている。
時間も95分と丁度イイ尺で恐怖を感じながら楽しんで観られる作品であった、といったところで「カット、カット」。
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