小泉今日子が原作のドラマということで、『戦う女』を観たのだ。
『戦う女』 パンツをテーマにした全5話。 門脇麦の才能が光る。 監督:垣内美香 出演:門脇麦(ドラマパート/パンツ店・店主/5話全てに出演),山中崇,小菅汐梨,篠原ゆき子,原舞歌,小松もか,岸井ゆきの,大和田健介,吹越満,伊藤歩,竹厚綾,高岡早紀,猫背椿,西田尚美 |
小泉今日子自身の人生における“パンツのある風景”を切り取った自伝的作品が原作の、全5話からなるオムニバスドラマ。
2014年10月、フジテレビのCS「フジテレビNEXT ライブ・プレミアム」で放送。
「フジテレビNEXTsmart」で配信され好評を得て、フジテレビ・関東ローカルで4夜連続放送。
小学生、中学生、20歳、30代、42歳。“それぞれの時代の小泉今日子”の視点を通して、女性の繊細な本音が丁寧かつ大胆に描かれている。
◆第一話:「ママのいないあいだに」
◆第二話:「おなかのマグマ」
◆第三話:「ありふれた恋の話」
◆第四話:「お幸せに。」
◆第五話:「Tバックブルース」
原作:小泉今日子『戦う女』(リトルモア『真夜中』No4収録)
『季刊 真夜中 No.4 2009 Early Spring 特集:たのしや地図 Let’s enjoy the map! 』 |
企画・脚本:高崎卓馬
監督・脚本:垣内美香
テーマ曲:チャラン・ポ・ランタン“戦う女”
主人公のパンツ屋店員は不倫をしていてデートの日に、向こうは5歳の娘を連れて来た。
ピリつく空気の中で、三人のドライブが始まる。
小泉今日子が原作らしいので『戦う女』を観た。
全5話のパンツをテーマにした物語で、少女から40代までの視点で描かれたドラマという構成や設定は珍しい。
キョンキョンの自伝的作品と謳われているが、ドラマを通して観た感じでは全く共感出来ない物語であった。
『戦う女』と題されていることもあり、女性ならではの視点や感性や生き方は、女性ならば共感出来るのだろう。
残念ながら女性の気持ちが全然わからない自分にとっては登場人物に誰一人として共感も持てず、ドラマに入り込むことが出来なかったのだ。
恐らくキョンキョンの書いた文章表現では心理描写などで登場人物の気持ちに感情移入したり、想像を膨らませることが出来るのだと思う。
映像表現よりは、文章表現に向いているような印象である。
第1話では主人公の門脇麦の恋愛事情が描かれていたが、魅力的でも何でもない頭の悪そうな男との不倫関係には違和感があった。
自由奔放な性格であろう門脇麦の役どころは中々良かったが、車の助手席でフロントガラスにまで足を投げ出して座っている姿に「こういう女、イヤやわ~」と一瞬で嫌悪感を抱く。
ただ全5話を通して、門脇麦の才能には目を見張るものがあった。
第3話での同棲中の彼氏がいながらも他の男に淡い想いを抱いた女性が、他の男と性行為を営んだ後に牛丼屋で牛丼を一人食べ、帰宅してお持ち帰りの牛丼を彼氏に渡すという流れが全く意味不明の理解不能なシーン。
他の男と性行為に至る時での女性の急激な冷め方と、牛丼を黙々と機械のようにガツガツ食べる姿、彼氏に牛丼を買ってきて「ごめんね」というのことなのか、一連の流れによる女性の豹変っぷりに「なんやねん、コイツ」と腹立たしくなった。
文章での心理描写を読めば、その気持ちを理解出来るのかもしれないが。
ドラマは響かなかったが、ドラマの合間で交わされる[YOU、友近、エリイ(Chim↑Pom)、門脇麦]による女性同士のトークは非常に面白く、途中からトークを楽しみにドラマパートを観ている感じであった。
喋り達者な顔ぶれの中で、当時まだ22歳の門脇麦がしっかりトークも出来て、飾らない性格と精神年齢の高い考え方に驚かされた。
『戦う女』は門脇麦が主役だったからこそ質が上がった感がある。
チャラン・ポ・ランタンの歌う『戦う女』のテーマ曲も良かった、といったところで「カット、カット」。
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