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又吉直樹原作『火花』ドラマ全10話を観た。*ネタバレ注意

『火花』を観たのだ。

又吉先生の芥川賞受賞の小説を映像化した作品。

小説はまだ読んでないけど、『火花』のNetflixドラマの予告編を観ていたら面白そうだったので全10話を観た。

個人的な感想を書くけどネタバレもあるので、まだ観てない方はこの記事読まないでネ☆彡


映像での心理描写


カメラの長回しでの歩くシーン走るシーンが多かった。漫才師の人間ドラマを描いた作品だけど、歩くシーンと走るシーンが漫才のリズムを感じさせた。


漫才によるリズムの強弱みたいなものを、歩くシーンや走るシーンで表現したかのような印象があった。

紳助さんの『紳竜の研究』というDVDで紳助さんが漫才師を志す人たちに言ってたが、「漫才の練習を歩きながらやってみぃ」「それが自分たちの漫才のリズムになるから」。まさに『火花』のオープニングは歩きながら漫才の練習をしていた。

ワンカットでの長回しが面白い。

主人公の背後をカメラが追いかけて、アパートの中へと主人公と一緒にカメラが入っていく。主人公は自分の部屋へと入るが、カメラはさらに歩き続けてアパートの外に出てアパート全体の外観を映す。アパートの外側から主人公の一階の部屋、そして同じアパートの二階に住むミュージシャンの部屋の暮らしを映し出す。

小説は読んでないけど小説では主人公の内面の心理描写を描いていたんじゃないのかな?その心理描写をセリフではなく、映像で表現していた感じがする。

お笑い芸人という題材を扱いながらも、とにかく切ない。笑っていても切ないのだ。

そして映像がとにかく美しい。

第一話の花火が打ちあがる中で『火花』のタイトルが浮かびあがってくるところなんて、すごく美しかった。

 

絶妙なキャスティング


キャスティングした人、誰??目の前で「めっちゃエエやん!」って言いたい。

主役の林遣都さんの他の作品は観てないけど、『火花』の徳永役は又吉さんにしか見えなかった。話口調が又吉さんだった。その辺は本人が意識して演じていたのか?漫才もうまかった。最終話での漫才は圧巻。

さらにキャスティングの良さは、脇役で出てくる役者さん。

合コンで徳永に好意を抱いていた女性。

コンビニバイトで深夜に一緒に働く若い男。

神谷が二度目に転がりこんでいた部屋の女性。

たまらなく良かった。リアリティがあって良かった。コンビニのバイトの男も、すげームカつくんだけど演技がめちゃうまい。あーゆうヤツいるもん。

ドラマとか映画で美男美女ばかりキャスティングされてると、すげー見る気なくす。リアリティがない。自分の身の回りに、ジャニーズ系の男やアイドル系の女の子がわんさかいるなんて不自然すぎる。『火花』はいい感じのキャスティングだった。

残念だったところは、業界人達がうさん臭いヤツらばかりだったこと。テレビ局のプロデューサーとかって、あんなにうさん臭いもんなのかね?なんかテレビ局の人たちは、イヤな感じの人たちの集まりだった。

 

徳永と神谷


林遣都さん扮する徳永は、神谷という男をお笑いの師匠として慕うのだが、又吉さんが憧れる芸人像なのかな?と思った。

又吉さんはプライベートで千鳥の大悟さんとよく一緒に行動していると『アメトーーク』でやってたけど、徳永と神谷のようにも見える。

又吉さんは物静かな印象があり、面白い発想や人と違った角度からモノを見る事が得意な人。

神谷というのは昔ながらの芸人気質な男。オモシロイということが何でも最優先で破天荒で周囲に媚びたりしない。どこか破滅型でもある。千鳥の大悟さんも同じニオイがする。

徳永と神谷は正反対なタイプ。徳永は芸人ならば本当は神谷のように生きたいのではないだろうか。

しかし僕は神谷という男が面白いようには見えなかった。いや、よくわからなかった。

僕は「面白い人」というのは、すごく「優しい人」だと思っている。

芸風がどうであれ、絶対に優しいはずなのだ。優しい人というのは相手の事を気遣い相手が喜ぶ事をしてあげる。優しくない人は、そういう事が全然わからない。

面白い人は何を言えば相手が笑うのか?相手の事を考えて察知して人を笑わせる。これは優しい人間じゃないと出来ない。優しくない人間はつまらない。

神谷はどっちだろう??って思った。神谷の優しいところや繊細な部分も、もちろん描かれているのだが・・・。

破天荒の内側には計算つくされたものがないと、ただの不愉快で終わったりする。優しい人は破天荒に振る舞っていたり毒舌を放っていても、実はちゃっかりと笑いを生んでいるものだ。

 

美化された女性の描き方

 

『火花』に出てくる女性に悪女はいない。

みんなみんな、とにかくイイ女なのだ。

徳永の髪をタダで切ってくれる美容師の女性。

神谷と同棲している女性。

徳永の漫才コンビの相方・山下の彼女。

神谷が二度目に一緒に住む女性。

女性がとにかく皆、優しくて健気に男を支えてくれている。売れない芸人を支えてくれている女性ってみんな、こうなの??って思ってしまう。それとも又吉さんの女性を映し出す目がそういったものなのか?僕は女って、もっとコワイもんやでぇって思ってる。男の方がバカで純粋だけど、女は大体性格悪いって思ってる。だから僕は女性を信じない。

『火花』に出てくる女性はかなり女性を美化している。1000人に1人位は、そんな女性もいるかもしれない。だけど登場人物、皆があんなイイ女なわけがない。又吉さんはまだ、女性のコワさを知らないのかもしれない。

 

まとめ


芥川賞を獲った又吉さんの『火花』でなければ、観ていなかったかもしれない。『火花』ってどんな話なんやろ?と気になっていたから。

ストーリー展開に激しいドラマがあるわけでもない。心理描写で魅せる作品なんだろうな?って思った。主人公の苦悩や葛藤なんかが小説では描かれているのではないだろうか?

夢ってすごくいいものだけど、残酷なものだと思う。夢というのは生きる活力になるけど同時に死にたくなる現実に直面させるものだ。夢破れて去っていく人たちがいる。すごく切ない。夢のないヤツ。チャレンジしないヤツにはわからないだろうけど。でも生きている限り、バッドエンドはないというのがこの作品のメッセージ。人生は続くからね。

小説もよんでみようかなぁと検討中です・・・・。

火花

又吉 直樹  (著)

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追記

小説『火花』を読みました。(2016年11月11日)

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  1. 2016年 11月 14日

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