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又吉直樹原作『火花』ドラマ全10話を観た。*ネタバレ注意

『火花』観たぞ。

又吉先生の芥川賞受賞作品の小説を映像化したやつね。

小説は読んでないんだけど、『火花』のドラマの予告編を観てたら面白そうだったので全10話観た。

個人的な感想を書くけど、ネタバレもあるから、まだ観てない方はこの記事読まないでね。

映像での心理描写

この作品はとにかくカメラの長回しでの歩くシーンや走るシーンが多かった。漫才師の人間ドラマを描いた作品なんだけど、この歩くシーンと走るシーンは俺は漫才のリズムを感じさせた。決して漫才のようないいテンポで流れてはないんだけど、
漫才でのリズムの強弱みたいなのを映像の歩くシーンや走るシーンで表現したかのような印象があった。

紳助さんの『紳竜の研究』というDVDで紳助さんが漫才師を志す人たちに言ってたのだけど、「漫才の練習を歩きながらやってみぃ」「それが自分たちの漫才のリズムになるから」って。まさに『火花』のオープニングは歩きながら漫才の練習をしてるんやね。

カメラのワンカットでの長回しが面白くて、主人公の背後からカメラが追いかけてアパートへと主人公と一緒にカメラが入っていく。主人公は自分の部屋へと入るが、カメラはさらに歩き続けてアパートの外に出てアパート全体の外観を映す。アパートの外側から主人公の一階の部屋、そして同じアパートの二階に住むミュージシャンの部屋の暮らしを映し出す。小説は読んでないけど小説では、主人公の内面の心理描写を描いていたんじゃないのかな?その心理描写をセリフではなく、映像で表現していた感じがする。

お笑い芸人という題材を扱いながらもとにかく切ない。笑っていても切ないのだ。

映像はとにかくキレイ。

第一話の花火が打ちあがる中での『火花』というタイトルが浮かびあがってくるところなんて、すごく美しかった。

絶妙なキャスティング

これ、キャスティングした人、誰??目の前で「めっちゃエエやん!」って言いたい。

主役の林遣都さんの他の作品を観てないんだけど『火花』の徳永役は又吉さんにしか見えなかった。話口調が又吉さんだったな。その辺は本人が意識して演じていたのかな?漫才もうまかった。最終話での漫才は圧巻やね。

そしてキャスティングの良さは脇役で出てくる役者さん。

合コンで徳永に好意を抱いていた女性。

コンビニバイトで深夜に一緒に働く若い男。

神谷が二度目に転がりこんでいた部屋の女性。

たまらなく良かったね。リアリティがあって良かった。コンビニのバイトの男も、すげームカつくんだけど演技めちゃうまいね。あーゆうヤツいるもん。

ドラマとか映画で美男美女ばかりキャスティングされてると俺はすげー見る気なくす。だってリアリティないからね。自分の身の回りにジャニーズ系の男やアイドル系の女の子がわんさかいるなんて不自然すぎるからね。『火花』はいい感じのキャスティングやったね。

残念なところは、業界人達がうさん臭いヤツらばかりだったこと。テレビ局のプロデューサーとかって、あんなにうさん臭いもんなのかね?なんかテレビ局の人たちは、イヤな感じの人たちの集まりやったな。

徳永と神谷

林遣都さん扮する徳永は、神谷という男をお笑いの師匠として慕うんだけど、これって又吉さんが憧れる芸人像なのかな?と思った。又吉さんはプライベートで千鳥の大悟さんと一緒によく行動しているとアメトーークでやってたけど、なんか徳永と神谷のように見えるもんね。又吉さんは芸人だけど、物静かな印象があって、面白い発想や人と違った角度からモノを見る事が得意な人やと思う。でも神谷というのは昔ながらの芸人気質な男。オモシロイということが何でも最優先で、破天荒で周囲に媚びたりしない。そしてどこか破滅型でもある。千鳥の大悟さんも同じニオイがするなぁ。

徳永と神谷は正反対なタイプ。徳永は芸人ならば本当は神谷のように生きたいのではないだろうか。しかし俺には神谷という男が面白いようには見えなかった。いや、よくわからなかった。

俺は「面白い人」というのは、すごく「優しい人」だと思っている。

芸風がどうであれ、絶対に優しいはずなのだ。優しい人というのは、相手の事を気遣い相手が喜ぶ事をしてあげる。優しくない人は、そういう事が全然わからない。面白い人は、何を言えば笑うのか?相手の事を考えて、察知して、人を笑わせる。これは優しい人間じゃないと出来ない。優しくない人間はつまらない。神谷はどっちだろう??って思った。神谷の優しいところや繊細な部分も、もちろん描かれているのだが・・・。破天荒の内側には計算つくされたものがないと、ただの不愉快で終わったりする。優しい人は破天荒に振る舞っていたり毒舌を放っていても、実はちゃっかりと笑いを生んでいるものだ。

美化された女性の描き方

『火花』に出てくる女性に悪女はいない。

みんなみんな、とにかくイイ女なのだ。

徳永の髪をタダで切ってくれる美容師の女性。

神谷と同棲している女性。

徳永の漫才コンビの相方・山下の彼女。

神谷が二度目に一緒に住む女性。

女性がとにかく皆、優しくて健気に男を支えてくれている。売れない芸人を支えてくれている女性ってみんな、こうなの??って思ってしまう。それとも又吉さんの女性を映し出す目がそういったものなのか?俺は女って、もっとコワイもんやでぇって思ってる。男の方がバカで純粋やけど、女は大体性格悪いって思ってる。だから俺は女性を信じない。『火花』に出てくる女性はかなり女性を美化している。100人に1人位は、そんな女性もいるかもしれない。だけど登場人物、皆があんなイイ女なわけがない。又吉さんはまだ、女性のコワさを知らないのかもしれない。

最後に

芥川賞を獲った又吉さんの『火花』でなければ、観ていなかったかもしれない。『火花』ってどんな話なんやろ?と気になってはいたから。

そんなにストーリー展開に、激しいドラマがあるわけでもない。だからきっと心理描写で魅せる作品なんだろうな?って思った。主人公の苦悩や葛藤なんかが小説では描かれているのではないだろうか?

夢ってすごくいいものだけど、残酷なものやなって思う。夢というのは生きる活力になるけど同時に死にたくなる現実に直面させるものだと思う。夢破れて去っていく人たちがいる。すごく切ない。夢のないヤツ。チャレンジしないヤツにはわからないだろうけど。でも生きている限り、バッドエンドはないというのがこの作品のメッセージ。人生は続くからね。

小説もよんでみようかなぁと検討中です・・・・。

追記

小説『火花』を読みました。(2016年11月11日)

『火花』又吉直樹著。芥川賞受賞作を読んだ。

 

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  1. 2016年 11月 14日

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