国立新美術館で開催されている『第96回国展』に行ってきたのだ。
「国展」とは、「国画会」が運営する日本最大級の公募展である。
1918年に5名の京都の新進気鋭の画家たちにより「国画創作協会」が創設され、その定期展の通称を「国展」と呼んだ。1928年に国画創作協会が解散、名称を「国画会」として独立、定期展の通称「国展」を継承。
絵画部・版画部・彫刻部・工芸部・写真部の5部による美術団体として、毎年春期に日本最大級の公募展「美術の春・国展」を開催している。
創立以来の会場であった都美術館から2007年に、国立新美術館へ移ったのである。
とにかくデカい。会場も作品もデカい。国立新美術館1階の1Aブースから1Cまでは先ず「絵画部」の展示。
人間の身長を遥かに超える大作ばかりが、壁一面に敷き詰められている。
圧倒的の大スケールに、圧巻のド迫力。
見応えたっぷりで全てを詳細に鑑賞していくには丸一日はかかりそうだが、次の予定を入れていたのでゆっくり作品を見る時間がないのが残念ではあった。
とても全てを紹介しきれない作品量で圧倒されっぱなし。
1Dブースには「彫刻部」が展示。
「彫刻の技術、凄過ぎだろっ!」と、卒倒しそうになるレベル。
様々なアイデアと素晴らしき才能が集結した驚異の作品群。
水分補給を全然していないことで、喉もカラッカラ。作品のエネルギーに水分が蒸発して、国展会場でぶっ倒れるところだったので、1階のカフェで550円もするコーラを飲んで休憩。
2階に上がると2Aから2Cの、もう一度「絵画部」。
巨大な会場に、巨大な絵画がどんどん押し迫ってくる。
作品を制作するのも大変だが設営するのも大変だったろうと、壮大な労力を想像すると恐縮する。
ひとつひとつを丁寧に見ていけないのが惜し過ぎる。描く時間には膨大な時間が費やされているのだから。
それから2Dブースでは「写真部」。
写真一枚での構図、切り取り方、陰影等、美意識を感じられる作品が並ぶ。
最後は3階に上がり、3Aブースの「版画部」へと。
作家がこだわり抜いた紋様の表現に息を呑む。
版画で魅せる計算された人間の芸術科学。
優美な色彩表現。
3Bブースで国展のラストを締めくくる「工芸部」。
日本工芸の洗練された様式美が存在している。
日本人の丁寧な仕事が細部に見える。
1階から3階へと超巨大なスペースに、ド迫力の作品群が並ぶ圧倒的なパワー!恐るべし国展。
本当に丸一日でもずっと見ていられる壮大な展示であった。
この記事へのコメントはありません。