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水野美術館『浦上コレクション 北斎漫画 』北斎のユーモア。

野市の水野美術館で開催されている『浦上コレクション 北斎漫画 驚異の眼・驚異の筆』に行ってきたのだ。

2020年に山梨県立博物館で同企画展が開催する予定で当時は足を運ぼうと思っていたのだが、コロナの影響で残念ながら中止になってしまった。

山梨での開催が中止になったことでモヤモヤとした心残りをずっと抱えていたが、長野で開催していることを知り、今回ようやく念願叶った。

水野美術館の門をくぐると、約700坪の日本庭園が広がる。

池には鯉が悠々と泳いでいる。

展示会場では一切の撮影は不可なので、写真はここまで。「北斎漫画展」は文章のみでレポートさせていただく。

 

浦上コレクション 北斎漫画 驚異の眼・驚異の筆

 
葛飾北斎が残した数々の名作の中で「冨嶽三十六景」と並ぶ代表作として知られるのが「北斎漫画」。弟子たちの絵手本として1814年に刊行され、北斎没後の1878年まで全15編が刊行。

世界一の質と量を誇る浦上満氏の「北斎漫画」のコレクションより、選りすぐりの約200点が展示されている。

膨大な量の貴重なコレクションを鑑賞させていただく機会が非常に有難い。

絵手本としての参考になることはもちろん、北斎の描く人物描写の動きひとつひとつが愉快で漫画としてのユーモアにも溢れていることから、目を奪われていく行為が楽しいのである。

北斎の好奇心旺盛な心と瞬間を捕らえる観察眼、絵を描くことの情熱と探求心が伝わってくる。

人物のみならず動物や植物、建物、風景等の森羅万象を巧みに描き、中でも僕が好きなのは幽霊や妖怪等の空想上の生きものたちの絵だ。

空想上の生きものたちは、より一層に「漫画感」を味わうことが出来、北斎の発想の豊さに触れられる喜びがある。

几帳面さが窺える細かな描写と、洗練された巧みな線の流れ、自在に描くことの出来る達人。80歳を超えて「猫一匹すら、まともに描けない」と涙を流していたとは思えない程の誰もが認めざるを得ない達人。

展示された「北斎漫画」に完全に見惚れてしまう。

90歳で亡くなる時、「あと5年の命があったのなら、本物の絵描きになれたのに」と悔しがっていたというが、北斎の残した作品は文句なしの逸品。

100歳まで生きた北斎の作品を見たかった想いもある。「北斎漫画」が更に続いていたのなら、何を描いたのだろうか。

モネやゴッホ、ゴーギャン等にも影響を与えた北斎の描く絵は、時を越えて、現代に生きる僕たちにも大きな浪漫を感じさせてくれるのだ。

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