綾瀬はるか主演の月9ドラマ『元彼の遺言状』を観たのだ。
『元彼の遺言状』 タイトルはほぼ関係ない。 ハラハラドキドキ感はなかった。 演出 : 鈴木雅之 , 澤田鎌作 , 西岡和宏 出演 : 綾瀬はるか , 大泉洋 , 生田斗真 |
主人公の弁護士・剣持麗子(綾瀬はるか)と依頼人・篠田敬太郎(大泉洋)がコンビでさまざまな事件を解決していく、リーガルミステリーの月9ドラマ。
原作は新川帆立による同名小説。宝島社主催の「第19回『このミステリーがすごい!』大賞」の大賞を受賞(応募時のタイトル『三つ前の彼』)。
『元彼の遺言状』
新川 帆立 (著) |
2022年4月11日から6月20日まで放送。全11話。
敏腕弁護士でお金に貪欲な剣持麗子の元彼で大手製薬会社の御曹司・森川栄治が「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という遺言状を残して亡くなる。
栄治の死因はインフルエンザだとされるが、麗子は栄治の友人・篠田から自分が栄治にインフルエンザを感染させた可能性があるから「犯人」になれないかと相談され、遺産が思ったよりも巨額であることが判明して多額の成功報酬を獲得するために麗子は引き受ける。
麗子は篠田を「犯人」に仕立て上げようと奔走、篠田の代理人として森川家主催の「犯人選考会」に参加することになる。
綾瀬はるか&大泉洋の共演で『元彼の遺言状』というタイトルもまた面白そうなので観てみた。
綾瀬はるか演じる気の強い弁護士の剣持麗子と、大泉洋演じる気の抜けた飄々とした助手の篠田敬太郎のバディは良かったが、イマイチ物語の盛り上がりには欠けていた。
毎週起こる犯罪の数々に手汗を握り視聴者を釘付けにさせるのが推理ミステリーの醍醐味ではあるが、臨場感はなく惰性でドラマを最後まで観ていた感もある。
綾瀬はるかの一本調子の演技なのか、剣持麗子のキャラ性なのか、綾瀬はるかの演技が下手に見えてしまう。そもそも綾瀬はるかのイメージに「金に貪欲な気の強い弁護士」が合っていなかったのかもしれない。
どうしても優しさと爽やかさの品があるので、剣持麗子の強さと怖さが醸し出されなかった。だからと言って、本当に気が強くイヤなイメージを演じられる女優が演じたところで、ドラマの方向性も変わってしまいそうな気もするが。
大泉洋は地のままで流石と思う程にキャラとマッチしていて、安心して観ることが出来た。
『元彼の遺言状』とは気になるタイトルではあったが、大してタイトルと関係のない内容である。
第一話での事件勃発から豪華屋敷に集う役者陣。なかなか面白そうになる気配はあったものの、まさかの呆気なく第二話目で事件が解決。第三話以降は『元彼の遺言状』とは関係のないドラマが繰り広げられるだけであった。
剣持麗子と篠田敬太郎を取り巻く「ゆるい登場人物」たちが、ハラハラドキドキさせるミステリーにならなかった要因の一つでもある。
剣持麗子の事務所に集まりコントを交えながらミステリー談義をしているだけで、実際に起きた犯罪解決への展開が弱いのだ。
篠田敬太郎が過去に巻き込まれた殺人事件で殺人犯に仕立てあげられ逃亡している設定と、篠田の過去の事件を解決に導いていく物語は良かった。
最終話は秀逸で最終話らしからぬ普段通りの物語を見せて、普段通りにドラマの幕を閉じる手法はオシャレだなと感じる。
可もなく不可もない『元彼の遺言状』であったが、期待値よりはイマイチであったのが正直なところ、といったところで「カット、カット」。
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