さて先日『新TV見仏記14 奈良・東大寺編 ~4Kで撮っちゃいましたスペシャル~』を購入して間もなく、「見仏記」のDVDを購入。今回も東大寺ではないが「奈良」を。
『新TV見仏記 ~平城遷都1300年スペシャル~ 1奈良編』 |
奈良で18年間住んでた僕であるが、今となっては知らぬことが多い。そりゃあ10代で寺巡りや仏像巡りに精を出すこともなく、更に地元というと観光する気持ちにはなれないものだ。それを考慮してもこんなに知らないことが多いと、「本当に俺は奈良に住んでいたのか?」と自分で自分を疑いたくもなる。
『新TV見仏記 ~平城遷都1300年スペシャル~ 1奈良編』で訪れるのは「十輪院」「称名寺」「白毫寺」「円成寺」だが、そのどれもが知らない。行ったことないレベルではなく、名称すら知らないのだ。決して引きこもっていたわけではないのに18年住んでいた奈良の風景を全然知らず恥ずかしい想いでいっぱいだが、自分の学びのためにも本作を観て奈良のことを探求してみよう。
平城遷都1300年で盛り上がったのが2010年なので、本作は12年前の動画である。
今回も「みうらじゅん」さんと「いとうせいこう」さんの軽妙なトークが繰り広げられ、仏像を鑑賞しながら二人の掛け合いを楽しむことが出来る。
二人の軽妙なトークが「見仏記」の醍醐味で非常に愉快なのだが、会話の中身は殆どなく有益な情報が得られるわけではない。ただどうでもいい雑談を繰り広げているだけで、聴いてもすぐに忘れてしまう内容である。
専門家が仏像を見ながらその歴史や雑学について解説するわけでなく、本当に中身のないことを二人で語り合うのだ。しかし、それが面白さで、長寿番組として親しまれる所以なのだろう。
今回の仏像を巡る旅で何とも珍しかったのが白毫寺の閻魔王だ。閻魔王を拝めるのは珍しい機会である。
厳しい表情の前で人が裁かれる時、どんな物事もお見通しで些細な嘘や取り繕いは通用しない。
円成寺の大日如来坐像は運慶の若き日の作品で、国宝に指定されている。今回はテレビの取材のチカラもあり特別に拝観することが出来て、映像を通して運慶の貴重な作品を拝むことが出来る。
完成直後の作品を目の当たりにすることは出来ないが、金箔が剥がれ数百年の時を経た大日如来坐像の姿も実に味わい深い。
運慶初期の作品で、圧倒される実力。20歳そこそこの人間が、ここまで崇高な仏像を作り上げるのだから凄い。
DVDを購入すると全巻集めたくなる衝動に駆られるが、取りあえずこれで二個目。「もう買うのは控えよう」と思いつつも、次の「見仏記」をネット注文しているのだった。
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