びわ湖の「奥びわ湖」とは何処を位置するのか?は不明だが、『新TV見仏記9 奥びわ湖観音の里編』を観たのだ。
『新TV見仏記9 奥びわ湖観音の里編』 |
紅葉彩る滋賀県北部の奥びわ湖と言われるエリアを巡る今回の見仏記。奥びわ湖は観音の里しても有名らしい。
カドカワのとの連載の兼ね合いで、テレビ撮影をしながら連載に必要なメモを取りつつ二人は仏像を巡る。
また「みうらじゅん」さんによる各寺で感じた俳句も披露。
地元の人たちと触れ合い、二人の軽妙なトークが繰り広げられる様は、やはりほのぼのと面白い。
大事な話があるわけでもなく内容が濃いわけでもないが、心地よく聴いていられる。
お寺で聴く説法が有難いのとは対極に、二人のトークは本当にくだらない。しかし、そこがこの番組の魅力である。高尚な話を聴きたいのなら、もっとお堅い番組をチョイスして観ればイイこと。見仏記は仏像を愛する二人の高尚ではない旅が魅力なのだ。
奥びわ湖には多くの十一面観音を拝むことが出来、その観音像の美しさは絶品。
いとうせいこうさんも「この地帯は、十一面(観音)にはずれなし」と絶賛する程。
地域の人たちに大事に扱われているのが随所に伝わり「観音の里」と呼ばれるには、人々の丁寧な暮らしと想いが存在するからこそだと思う。
十一面観音の他にも不動明王が幾つか紹介され、不動明王の表情にも色々なタイプがあった。若き面持ちをした感じの不動明王を観たのは初めて。
お釈迦様の修行の姿を像にした何とも珍しいインドを感じさせる表現も画面を通して釘付けに。顔はゲッソリと痩せこけ体はあばら骨が浮き出ていて、想像を絶する過酷な苦行だたことが伝わってくる。
観音の里と呼ばれるだけあって、見どころ満載の奥びわ湖。番組で紹介されない場所もあるだろうから、実際に足を運んで巡ってみるのも楽しそうだ。
仏像のポストカードを嬉しそうに購入して、各寺で俳句を詠み、道中で発見したナナフシに少年のように盛り上がる二人。
少年のように楽しむ二人だが随所で年寄のように老いを語る。時には老眼の話で語らい、夕暮れのエンディングトークで座る二人に至っては若さはない。
少年のような心と老いによる体の変化を同時に持ち合わせ、仏像を求めて歩く二人の姿はピクニックに行く楽しさと哀愁を漂わせている。
先日、上岡龍太郎さんが亡くなった時、いとうせいこうさんのTwitterで「パペポTVを目指している」的な言葉を発していたが、確かに「みうらじゅん」さんと「いとうせいこう」さんの会話は上岡龍太郎さんと笑福亭鶴瓶さんの『パペポTV』みたいだ。
そんな二人の見仏記を末永く続けていって欲しいと思う。
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