荒木飛呂彦先生の原画展の記録を収めた『JOJOnicle 荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋 クロニクル』を購入したのだ。
購入したのは先月のこと。2018年に六本木の国立新美術館で開催された『荒木飛呂彦原画展 JOJO – 冒険の波紋 – 』に、当時足を運ぼうかと思いながらも行かなかった後悔もあり購入するに至った。
『JOJOnicle 荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋 クロニクル』
荒木 飛呂彦 (著) |
「ジョジョ」が魅力的な漫画であることはもちろん、荒木飛呂彦先生が描くイラストもまた魅力に溢れている。
キャラクターのポーズ、構図、カラフルな色彩、荒木飛呂彦先生が生み出す世界に翻弄される。
「色を塗る時は一気に塗る」「漫画家には締切があるからね」と、スピーディーに描き上げているのだろうと思われる絶対的な才能。
背景をベタッと浮世絵風に塗って、人物は立体感を出してルネッサンス風にしているという。確かに、その手法がぐんとキャラクターの魅力的に引き出している。
展覧会のために描き下ろした12枚の巨大な絵。高さ2メートル、幅1.2メートルもの大型原画たちが展示会場の壁を埋め尽くす。
人間と同じ大きさで描かれた大型原画たちは、漫画と観客の境界線をなくし、一体化する。
原画を飾るだけではなく会場全体でジョジョの世界観を作り上げて、観る者を異空間にいざなう。
「ジョジョ」のイラストと「ジョジョ」の名言が会場を飛び交い、奇妙な冒険へと迷い込むのだ。
イラストがイチイチカッコイイ。
漫画の原稿もコマ割りや構図がカッコ良くて仕方ない。
怪しげなキャラクターたちが、怪しげなポーズを決めている。それがすこぶるカッコイイ。
荒木飛呂彦先生の荒木飛呂彦先生にしか描けない作品が読者の心を掴み、捕らえて離さない。
原画展に足を運ばなかった後悔から、せめて図録だけでも空気を味わおうとしたが、図録を見れば見る程、後悔の念がどんどん大きくなる。後悔先に立たずとは、このことか。
これだけの大規模な原画展はもう当分の間行われないだろう。
更に本書では長崎と金沢の一風変わったご当地ガイドまで掲載されており、原画展を鑑賞すると共に散策してみるのも面白い。
次回開催される日がいつになるのかワカラナイが、その時は是非とも足を運んで奇妙な世界へと迷い込みたいものである。
この記事へのコメントはありません。