黒沢清監督の『LOFT ロフト』を観たのだ。
『LOFT ロフト』 ミイラと幽霊と人怖と・・・。 二人の男の本性は? 監督:黒沢清 出演:中谷美紀, 豊川悦司, 西島秀俊, 安達祐実, 鈴木砂羽 |
『ドッペルゲンガー』黒沢清監督が以来3年ぶりに作り上げたサスペンス・ホラー。
主演は『嫌われ松子の一生』の中谷美紀。豊川悦司、西島秀俊、安達祐実、鈴木砂羽、大杉漣ら実力派俳優が集結。
2005年製作/115分/日本
配給:ファントム・フィルム
スランプに陥り郊外の一軒家に引っ越してきた女流作家の礼子(中谷美紀)は、人けのない向かいの建物に出入りする男を見かけた。
男は吉岡誠(豊川悦司)という大学教授で沼から引き上げた千年前のミイラを無断で運び込んでいた。
それを見て以来、礼子は得体の知れない恐怖に襲われ、小説がまったく書けなくなってしまう。
黒沢清監督の『降霊〜KOUREI〜』『叫』を最近観て、同じく心霊系である『LOFT ロフト』を鑑賞。
黒沢清監督作品は「無音」の怖さがある。静けさが続くことで気味の悪い緊張感が漂い、迫りくる恐怖に怯えるのだ。
だが本作では物音や効果音で驚かせるシーンが幾つか見られ、他の黒沢清監督作品とは毛色が少し違った感があった。
豊川悦司と西島秀俊は二人とも怪しげな雰囲気を醸し出し「イイ奴」か「悪い奴」なのか、中谷美紀を通して少しずつ二人の男の本性が明らかになっていく。
ヤバいのはミイラを持ち運びしていた豊川悦司ではなく、編集者の西島秀俊だったという「人怖」展開。
中谷美紀と豊川悦司が恋愛関係になってしまうのがイマイチ意味が分からない。
全然関係のない話だが豊川悦司と西島秀俊が同じような髪型で、「そういえば黒沢清監督作品常連の役所広司も同じ髪型だなぁ」と気になる。本作の豊川悦司の役を役所広司が演じていても何ら違和感がない。全然関係ないが気になってしまう男性陣の髪型。
安達祐実が幽霊役を演じていたことに関しては「何故、安達祐実?」と疑問。安達祐実が幽霊って正直怖くない。もっと無名の役者が幽霊を演じてくれた方が恐怖感がある。『叫』の葉月里緒奈は良かったが・・。
ラスト一件落着と思いきや豊川悦司が湖にドボンッ!は最高に素晴らしい。途中、背後から西島秀俊にもブン殴られたが、豊川悦司はちょいと可哀相。
少ない主要キャストで繰り広げられるミイラと幽霊と人怖を扱った奇妙な黒沢清監督の物語であった、といったところで「カット、カット」。
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