竹中直人主演のフェイクドキュメンタリー『邪願霊』を観たのだ。
『邪願霊』 とんでもないポルターガイスト現象。 エンドロール後のオマケも楽しめる。 監督:石井てるよし 出演:竹中直人 石山一枝 梅原正樹 |
アイドルの撮影現場で起こる恐怖の出来事を描く、劇場未公開のオリジナルビデオホラー作品。
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999年)の約10年前に製作されたフェイクドキュメンタリー(モキュメンタリー)手法によるホラー作品で、 後に世界的なブームとなったJホラーの始まりの1本とされる。
竹中直人が主演を務める。
ハリウッドでメイクを学んだトニー・タナカがヘアメイクを担当。
1988年製作/49分/日本
配給:彩プロ/ポニーキャニオン
アイドル・佐藤恵美のプロモーション作戦を追跡する内に不可解な事故が続出。
真相究明に乗り出したテレビ取材班が捕らえたものは、なんと亡霊の姿。
1989年のオリジナルビデオ作品、竹中直人主演で撮られたホラー映画ということで珍しくもあり本作を観ることに。
アイドルのプロモーション撮影中に起こる怪奇現象を目撃していくわけだが、時代を感じさせる当時の業界の風景も気になり当時のフェイクドキュメンタリーの撮り方や演出も興味深い。
竹中直人主演でありながら竹中直人はほぼ映らない。時々後ろ姿だけで登場するだけ。クライマックスでやっと竹中直人が活躍の場を見せる。いや活躍はしていないが出番が多くなる。
驚いたのは「信じるか信じないかは、あなたの考え方次第」という、『やりすぎ都市伝説』側がパクッたであろう文言を本作で発言していたことだ。
最後の現場で起こるポルターガイスト現象が異常で、人が狂い、機材が落ち、倒れ、「どんな悪霊やねん!」と思う程の壮大なパワー。これだけの怪奇現象が起こるには、一人の女性の亡霊による怨念では無理があるのではないか。数十人、数百人の怨念の塊が巻き起こした現象ではないか。
フェイクドキュメンタリーとして、レコーディング中に奇妙な音声が入ったり、撮影中に同一人物とも見える女性が複数回映っていたり、リアルな怪奇現象を見せていた割に最後の最後で大袈裟過ぎる大嘘なポルターガイスト現象を描いたのは何故だろうか。
このまま地味に小さな怪奇現象を並べて終わっていくのでは、やはりエンターテイメントとして忍びなかったのだろう。最後は竹中直人の出番も増やしてお祭り騒ぎで終わりたいものだ。
よくわからないまま終わっていった物語だが、エンドロールが流れ終わった後に「まさかの水野晴郎先生登場!」。自身の映画現場での心霊体験を語り終えたかと思いきや、竹中直人が「悪霊に憑りつかれたモノマネを披露する」サービスっぷり。
「どーいうこっちゃねん!」とツッコミを入れたくもなったが、エンドロール後にも楽しませてくれるオマケ映像に得した気分、といったところで「カット、カット」。
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