この一ヶ月で園子温監督作品をいっぱい観てきたが、まだまだ作品あるので制覇しないと。
それではレビューをさせていただきます。
『エクステ』 髪の毛が襲うホラー。 笑いと恐怖は表裏一体。 監督:園子温 出演:栗山千明,大杉漣,佐藤めぐみ,つぐみ,町本絵里,山本未來 |
笑えるホラー映画。
馬鹿馬鹿しいけどコワイ。
思い返せばヒッチコックの『鳥』やスピルバーグの『激突!』も、何故か鳥の大群が襲ってきたり、何故か巨大タンクローリーが襲ってきたり、よくわからないが「襲われる」ってコワイものだ。
『エクステ』なんて、髪の毛が襲ってくるわけだから。
日常で髪の毛がコワイなんてことはないが、やっぱり襲ってきたらコワイ。
例えばトイレットペーパーがぐるぐると襲ってきたら、それもホラーになる。
大杉漣さんが、ど変態で笑える。
恐怖感と笑いは表裏一体。
『俺は園子温だ!!』 才能の片鱗が散りばめられた。 若さのエネルギーに溢れている。 監督:園子温 出演:園子温
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ヤバイ。ヤバイって思わせるが、才能の片鱗がところどころにある。
いい加減のようで、いい加減じゃない。
詩的であり、アートであり、若さのエネルギーが溢れている。
才能のないヤツがマネをすると、絶対に大ケガをする。
ぴあフィルムフェスティバルで入選したのはスゴイ。
審査員はよくこの才能を見落とさなかった。
後に偉大な映画監督になっていくのだから。
『紀子の食卓』 魅力的な女性キャスト。 レンタル家族の居心地良さ。 監督:園子温 出演:吹石一恵, つぐみ, 吉高由里子, 光石研 |
園子温監督は女優の起用が上手いと言われていて、無名の女優を開花させるのが本当に上手い。
本作が吉高由里子のデビュー作であり、『愛のむきだし』の満島ひかり、『ヒミズ』の二階堂ふみ、園子温監督作品で特異な輝きを放っている。
また女性を主役にした映画作りが本当に上手い。
『紀子の食卓』も女性達が皆イイ。
異質な存在感の「つぐみ」という女優もイイ。
関わっちゃイケナイ人って思う。
人を洗脳する人って、魅力的である。
存在に説得力がある。
バラバラの個がレンタル家族で繋がるのだが、自分たちの都合のいい解釈で繋がるから、本当の家族よりも居心地のいい家族になる。
違和感を抱えたまま。
『HAZARD/ハザード』 カッコイイ、ニューヨーク。 型にハマらない表現手法。 監督:園子温 出演: オダギリジョー, ジェイ・ウエスト,深水元基, 池内博之, 椋名凛
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ニューヨークが舞台で、格好良くニューヨークを撮るなぁと感心する。
ダサくない。
日本人が浮かれて海外で撮影するとダサくなる場合が多いが、日本人が撮った映像には見えない。
「眠たい国、日本。だけど、眠れない国、日本。」この言葉に共感する。
退屈な日常をニューヨークで刺激的に変える。
長回しのワンカットに挑戦したり、ナレーションに子供の声を使ったり、型にハマらない映画への挑戦が見えた。
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