アニメの実写版は何故か観てしまう。
そして観た後にガッカリする。
それはアニメ版が面白いから。
すでに完成されているものを実写版で作るので期待値は上がるのだが、観た後はガッカリしてしまう。
自分が子供の頃から観ていた好きなアニメ『ルパン三世』が、実写版を観ることによって、まさか嫌いになるとは思わなかった。
こいつらは大泥棒ではなくて、人を殺して強奪する強盗集団で、自分の仲間が死んでも、最後には「待て~!ルパーン!」と銭形のとっつあんに追いかけられてヘラヘラ笑っている、とんでもなくクソみたいな連中だと思った。
『ルパン三世』 ルパンは大泥棒一味ではなくて、 ただの劣悪な殺人集団だぜ。 監督:北村龍平 出演:小栗旬, 玉山鉄二, 綾野剛, 黒木メイサ |
観るのがしんどかった。何度途中で挫折したことか。こんな映画観てたら健康を害する。
最近はアニメの「ルパン」も観ていないが、昔に観た「ルパン」で銭形のとっつぁんが「ルパンは人殺しをしない」って言うセリフがあり、「なるほど」と思った。
しかし、それ以降のアニメでもルパンが人を撃って殺しているシーンを観て「ええっ!!」って驚いたことがあったのだが、もちろん実写版のルパンも人を殺すのである。
ルパンと言えば大泥棒と認識しているが、ただの劣悪な殺人犯なのだ。
モノを盗む際のテクニックは見事であっても、バンバン銃を撃って人を殺している。
盗みはするは、殺人はするは、最悪な連中。
爆破シーンや銃撃戦、チンケなカーチェイスなんてしなくていい。
もっと「ルパン」の持つ雰囲気を大事にして欲しかった。
あとキャストをイケメン連中で固めるな。
『下妻物語』 監督のセンスと遊び心が、 ビンビンに伝わってくる! 監督:中島哲也 出演:深田恭子, 土屋アンナ, 宮迫博之, 篠原涼子 |
冒頭から遊び心と映像センスで、監督の世界観を否応なく表現している。
映画ならではの楽しさを見せてくれていて、映像と音楽と役者の演技を独特の表現で魅せていて面白い。
物語の面白さというより、映像センスある遊び心に唸る。
『青天の霹靂』 劇団ひとりが監督として、 才能あるとは知らなかった! 監督:劇団ひとり 出演:大泉洋, 柴咲コウ, 劇団ひとり, 笹野高史 |
こりゃ驚いた。劇団ひとりが監督としてこんなに才能があるなんて。
タイムスリップものだが、タイムスリップ感のもろもろは気にしなくていいと言える作品。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では少年が両親が結婚する前の時代にタイムスリップをするが、本作も同じである。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は明らかなるタイムスリップ映画だが、本作の見せ所はそこではない。
1974年の時代背景を細かく描かなくて別にイイと思うが、そこをツッコミたい人はいるだろう。
上映時間が1時間半ぐらいなので、細かな時代描写は端折って、見やすい時間で物語を飽きさせないまま見せてくれてありがたい。
劇団ひとりもすごく格好良かったし、ラストの見せ方もGood。
『SCOOP!』 物語は後半ガッカリ。 リリー・フランキーは最高! 監督:大根仁 出演:福山雅治, 二階堂ふみ,吉田羊, 滝藤賢一 |
前半部分はスゴイ良かった。
これが最後の見せ所かなぁと映画が終わったと思ったら、まだ続きがある。
ここで終わっていたら非常に気持ちよく痛快だった。
最後の最後に非常に気持ち悪い話の展開になって、想像している一番イヤな結果に向かってそのまんま進んでいく。
福山雅治も二階堂ふみも警察も、本当にチンタラと鈍くさい。
「何やってんねん!」というイライラをずっと持たせたまま、ガッカリする結末へと落ちる。
例えばコップいっぱいに水を入れて歩いているヤツを見ていて、「あー、こぼす。こぼす。そのままじゃこぼす!」と思っていると、本当にそのままこぼして「あー、だから言ったやん!鈍くさいなぁ!」みたいなガッカリ感。
もっと早くちゃんと対応せえよ!みたいな。
制作側のやりたい事もわかる。
水をこぼす所を見せたいんや!ってこと。
制作者側の「見せたいところ」が、お客さんの「見たくないところ」であったのだ。
本作では、リリー・フランキーの演技が最高である。
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