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映画『楳図かずお恐怖劇場 蟲たちの家』ネタバレ・あらすじ・感想。

図かずお to 黒沢清監督という夢の組み合わせが興味を引いて本作を観ることに。

『楳図かずお恐怖劇場 蟲たちの家』
楳図かずお × 黒沢清。
静かに増幅する恐怖。
監督:黒沢清
出演:西島秀俊, 緒川たまき

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解説

 
楳図かずお原作のホラー短編6作品を映像化したオムニバス映画『楳図かずお恐怖劇場』の1編として、黒沢清監督がメガホンを取ったホラー作品。

 

蟲たちの家

楳図 かずお  (著)

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主演は『帰郷』の西島秀俊、『SF サムライ・フィクション』の緒川たまき。

2005年製作/60分/日本
配給:松竹

 

あらすじ

 
蓮司(西島秀俊)は自分に好意を寄せてくれる後輩・羽奈子(しらたひさこ)に「妻(緒川たまき)が人間でなくなった」と相談を持ちかけ、それが自分の妄想かどうか確かめてもらうために羽奈子を自宅へと案内する。

 

感想

 
楳図かずおのトンデモ物語に黒沢清監督の演出が絡み合う。

ヒッチコック映画を彷彿とさせる、お馴染みの不穏な車シーンや、部屋のカーテンの揺らめき、黒沢清監督演出を存分に堪能することが出来るのだ。

楳図かずお漫画のような「ギャーッ!!」という、けたたましい叫び声をあげることなく、静かに静かに不気味さを増しながら物語は進行していく。

至って無表情な西島秀俊がミステリアスな雰囲気を醸し出している。

淡々と会話を進めながら、観ている者を霧がかかったモヤの中に誘う。

展開が読めてしまった物語だが、少ないキャストで最小限のロケーションで繰り広げられる物語は、奇怪な家を舞台にしたことでイイ意味で狭い世界観になりホラー効果が増幅したのだ。

登場人物を無駄に増やしたり舞台を大きくしたり設定を大袈裟にすることで、ホラー効果が縮小してしまうことが多々ある。狭ければ狭いほどに何故か恐怖感は増していく。

二階の一室で蟲と化した妻は静かに無表情に佇んでいたが、そこがまた大いに不気味なのである。

蟲であることを強調して気持ち悪く描こうと天井に這いつくばせたり、ワシャワシャと蠢かせたりすることで蟲らしい動きを演出しがちだが、作り手のあざとさが見え見えで逆効果になり恐怖は弱まってしまう。大きな効果音で驚かせる手法もそうだ。

楳図かずお漫画のようなオーバーリアクションも封印して、黒沢清監督は淡々と静かに不気味さを演出して恐怖を描いた。

楳図かずお to 黒沢清監督による面白い試みの作品である、といったところで「カット、カット」。

 

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