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甲南劇場で『マジカル・セックス 淫ら姫の冒険』を観てきたのだ!

日は初めて甲南劇場に行ってきた。
思っていたよりも近所にあって驚いた。

それは僕の初めてのピンク映画体験であり、思春期の少年のような気持ちでそわそわしていたのである。

東京に住んでいた頃に映画の現像会社で一緒に勤務していた先輩である山本 淳一監督の『マジカル・セックス 淫ら姫の冒険』が、今週は上映されている。

初のピンク映画体験を、山本淳一監督で筆おろしするとは夢にも思っていなかったのだ。

甲南劇場をカーナビでセットして、どこか落ち着かない感じで車を走らせる。

甲南劇場は日常の生活風景の中に、ただ当たり前のように存在していた。

僕が本当の思春期ならば白々しい顔をしながら、この劇場の前を何往復もしていただろう。

一度はおいで、甲南劇場」と県外の観光客にアピールしたいものだ。

チケット売り場で「『マジカル・セックス』1枚」と僕が言うと、「うちは4本立てなので、いつ入っても出ても大丈夫です」と言われ「昭和か!」と心の中でツッコミを入れる。

子供の頃、二本立ての映画を観ることが出来た。ジャッキー・チェンとスタローンが同時上映をしていたりして、一つの料金で二本の映画を観れたものだ。

入れ替え制でもなかったので、面白かった映画は、もう一回リピートして観ていた。

『マジカル・セックス 淫ら姫の冒険』は、ピンク映画でありながらも山本淳一節が効いていて、とても心地が良かった。

やはりジャンルは違っても、その監督の色が出ているというのは非常に嬉しい。

エッチ表現もイイが、ストーリーが面白く、劇中も遊び心満載で存分に楽しんだ。

山本監督のコミカルな残酷描写もあり、劇中に登場する謎の男の正体も意外で、気持ちの良い結末を迎えて面白い。

上映中、煙草を吸いながら歩くオジさんや、席を立ちズボンを上げてベルトをカチャカチャ鳴らすオジさんがいて、映画館体験としても面白い体験をさせてもらった。

昭和を愛する僕の子供の頃の原風景が、「え?今、なに時代?」と錯覚を起こす。

映画は一人で自宅で観るのもイイ。

しかし映画館でその劇場のニオイを体感しながら観るのもイイものだ。

視覚だけではない記憶が残る。

映画を観た時の状況や心境、周りにいた人たち、色んな物事を肌感覚で体験出来るからこそ、素晴らしい。

これぞ、マジカル。

これぞ、冒険。

映画鑑賞をすることで、僕もマジカルで淫らな冒険をしていたのであった。

『マジカル・セックス 淫ら姫の冒険』、オススメです☆

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