この夏はなんなんだ。

エアコンを付けっ放しなので電気代は高いし、暑いから冷えた酒を飲みたくなる。
今年の夏は、ビールよりもチューハイ。出来るだけアルコール度数が高くて、瞬間で気持良くなりたい。

さて映画のレビューを、グイッとね。

デ・パルマ監督の演出は面白く、どうってことのない物語を、多少なりとも魅力的にしてくれているが、やはりどうってことのない物語。

フツーの作品。

赤ちゃんを授からない夫婦が、五つ子の赤ちゃんの一人を泥棒する。子供が欲しくても出来ない夫婦には、本当に切実な問題である。

子供が出来ない気持ちは、すごく共感出来る。だから虐待のニュースなんて見ると、「なんでこんな奴らに」と怒りがこみ上げる。

物語は非常にバカバカしくて良かった。

ニコラス・ケイジは、『ワイルド・アット・ハート』や『スネーク・アイズ』等、クズっぷりがよく似合う。

本作のクズっぷりも最高だ。

ホント、昭和のスターって凄い。

顔面凶器、ハンパないオーラ、現代の役者にはない迫力。

しかし、二人が共演したこと以上のものはなかった。

もっと二人が対峙して対決して欲しかったが、スター同士なだけに、カッコイイ当たり障りのない部分しか見せられない。

役柄上の対決よりも、勝新太郎と三船敏郎の二人の対決になってしまう。

それでも同じ画面に映っている贅沢な二人の共演は最高！！

センス抜群なので「どうやったら、こんな映像が撮れるのだろう？」と、深く感心しながら見入った。

センスのイイ映像、ミュージックビデオ的な映画な作りに、物語としては薄かった。

アーティスティックな感じを前面に出すと、自己陶酔に陥りやすい。観客無視で、「俺のセンスがわかる奴だけついてこい」みたいな。

映像は観ていて面白いが、ミュージックビデオで十分。

才能ある監督なので、他の作品も追いかけていきたい。