宮沢賢治と言えば『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』『注文の多い料理店』『セロ弾きのゴーシュ』等、多くの代表作があるが、僕個人はしっかりと読み込んだ作品はない。
山梨県立美術館と同じ敷地内にある山梨県立文学館で『宮沢賢治展』が開催されていたので、宮沢賢治の文学の風に吹かれに行く。
宮沢賢治は、37歳の若さで亡くなった。
しかし生前はほぼ無名であった。没後に国民的作家になったという。
37歳以前の作品が世に語り継がれて、その若さで『雨ニモマケズ』なんて詩を残しているんだから、人間的にすごく出来た人だったのではないか。
展示されている手帳には、『雨ニモマケズ』が記されていた。どうやら宮沢賢治が亡くなってから、宮沢賢治のトランクのポケットから発見されたらしい。*【実物展示期間は、11月2日(土)~11月15日(金)で、期間外は精密複製を展示とのこと】
自分ごとながら『雨ニモマケズ』は、友人の依頼で、墨と筆で模写したことがあり、僕にとっても思い入れのある詩だ。
僕はこの詩の「デクノボートヨバレ」「サウイウモノニ ワタシハナリタイ」という部分が好きだ。
前半「雨にも負けず風にも負けず」と力強い詩が連なっているが、最後には「でくの坊と呼ばれ」「そういうものになりたい」と締めるあたりが、非常に味わい深く考えさせられる。
展示物は主に宮沢賢治の書いた手紙が多くあった。代表作等の作品の生原稿はほぼなかったように思えたが、実際に現物はもう残ってないのだろうか。生前は無名であったため、残されてないのかな。それとも今回は、宮沢賢治の手紙がメインであったのだろうか。
また今回の展示会のために書き下ろされた松本零士さんの『銀河鉄道999』の絵が展示されていて、生でお目に書かれて有難かった。
時代を超えて、今もなお普遍的に愛読される宮沢賢治の片鱗に触れる文学体験であった。
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