一匹狼の元軍人ジャック・リーチャーは、頭もキレるし、ケンカもすこぶる強い。
銃の腕前だってカーチェイスだって何でもござれだ。
『アウトロー』 トム・クルーズを堪能する映画。 楽しめるか楽しめないかは、あなた次第。 監督:クリストファー・マッカリー 出演:トム・クルーズ ロザムンド・パイク リチャード・ジェンキンス |
イギリスの作家リー・チャイルド原作のハードボイルド小説『ジャック・リーチャー・シリーズ』を『ユージュアル・サスペクツ』のクリストファー・マッカリー監督・脚本で映画化。
トム・クルーズが一匹狼の元軍人ジャック・リーチャーに扮して難事件解決に挑むアクションサスペンス!
ドイツの鬼才監督ベルナー・ヘルツォークが悪役で出演。
2012年製作/130分/G/アメリカ
原題:Jack Reacher
配給:パラマウント
真昼のピッツバーグ郊外で無差別に6発の銃弾が撃ち込まれ、5名が命を落とすという事件が発生。
警察は事件発生後1時間という早さで、元軍人で腕利きスナイパーだったジェームズ(ジョセフ・シコラ)を容疑者として拘束する。
だが彼は容疑を全面否認し、かつて軍の内部で一目置かれていたジャック(トム・クルーズ)への連絡を求める。
なんなんだこの雰囲気。2012年製作の割に、もっと古い映画を観ているかのような空気感。それでなければ漂うB級感。
トム・クルーズ演じる元軍人のジャック・リーチャーは、すこぶる強い。強いのはイイが少々カッコつけなとこがある。いわゆるキザってやつ。
ケンカをする時もイチイチ一言二言多い。「逃げるなら今だ。そっちが絡んできたんだぜ」とカッコつける。「時間がない。さっさとしよう」そして手際よく5人組の男を葬り去る。「一丁上がり」てな具合。だいぶ昔の映画を観ている感が否めない。と言いつつも、それはそれで楽しんじゃっている自分がいる。
また真剣に映画をやっているのかと思わせつつ、随所で「笑わせようとしているのか」よくわからないコメディーを見せてくるのだ。
ジャック・リーチャーの後頭部をバットで殴打することに成功して、仕留める大チャンスなはずなのに、バットを持った男とバールを持った男の二人組は、全然見当違いの場所を二人揃って叩きつけてしまう。浴槽に倒れこんだ無防備な丸腰のジャック・リーチャーが目の前にいるのに、まるで目隠しをしてスイカ割りをしているように全然関係のない場所を何度も何度も叩きつける。「俺にまかせろ!」なんて言いながら、今度は誤って仲間を叩きつけてしまう。
これってコメディーなの?と戸惑ってしまって笑う準備が整わないうちに、全然笑えないままシーンを終えるのだ。
『アウトロー』では終始至ってシリアスに物語展開がなされていくのに、随所に意図的に笑わせようとしているシーンが垣間見える。うっかりしていると笑うのを戸惑っている間に次のシリアスな展開が始まっているのだ。
無駄に自分の裸体を見せつける筋肉隆々なトム・クルーズや、無駄に胸の谷間を見せるロザムンド・パイク。
この二人話す時に無駄に大接近して話す。特に男女の何かが起こるわけじゃない。
トム・クルーズを堪能したい方にはオススメな映画だ。
ケチを付けようとすれば至るところでケチをつけられる映画が故に、「楽しめる」か「楽しめない」かで賛否分かれそうだが、僕はずっと楽しんでたのであった。早速続編でも観るかぁと思い立ったところで、「カット、カット」。
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