フランスで実写化された『シティーハンター』が、こんなにも良く出来ていたなんて。
『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』
監督:フィリップ・ラショー |
1980年代にアニメ化されて根強い人気の日本が誇る、北条司の漫画『シティーハンター』をフランスで実写映画化。
フランスの大ヒットコメディ映画『世界の果てまでヒャッハー!』を手がけたフィリップ・ラショーが監督・脚本・主演を務める。
日本語吹き替え版では、リョウ役を山寺宏一、カオリ役を沢城みゆき。
アニメ版オリジナルキャストの神谷明と伊倉一恵はスペシャルゲストとして、アニメ版とは異なる役の吹き替えで参加。
2018年製作/93分/G/フランス
原題:Nicky Larson et le parfum de Cupidon
配給:アルバトロス・フィルム
「シティーハンター」こと冴羽獠はボディーガードや探偵を請け負う凄腕のスイーパー、相棒の槇村香と日々様々な依頼を受けていたが、ある日、ふたりに危険な依頼が舞い込んだ。
それは、その香を匂った者を虜にする「キューピッドの香水」の奪回をすること。
これが悪用されたら世界は大変なことになる!
タイムリミット、48時間。
獠と香は、時間内に香水を取り戻すことに成功するのか!?
元傭兵の海坊主や美人刑事の冴子を巻き込んで、シティーハンターの香水奪回作戦がはじまる。
全くもって油断をしていた。
冒頭から「こりゃヤバイかも。くだらないぞ」と思いつつ観ていたら、これが何と良く出来た優れたおバカ映画であった。原作『シティーハンター』の世界観を大事にしていて、実写化として問題なしの十分に面白い映画だったのである。
キャスティングに関してもバッチリ上手くハマッている。
冴羽遼の部屋の雰囲気とかも元々日本離れしていたので、フランスで再現してくれていた感じの方がしっくりくる。
監督のフィリップ・ラショー本人が主演を務めていて、元々原作のファンであったらしくて、だからこそ『シティーハンター』愛に溢れていたのである。
フィリップ・ラショーは冴羽遼をしっかりと捉えて演じていたが、監督の画像を見ると全然似ていない。そう、映画では完全に冴羽遼へと役作りを果たしていたのである。
一歩間違えると超くだらない「B級おバカ映画」になるところを、良く考えこまれた物語がベースにあって、「お、おおっ!」と感心させられる。この布石があるから、その後の展開で活かされてということを、おバカなコメディーを繰り広げながら見せていくので素晴らしい。
エンディング曲で『Get Wild』が流れた時には、感動すら覚えた。
実写版の『シティーハンター』の続編を希望するというところで、「カット、カット」。
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