「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」で準グランプリ作品企画Fillmarks賞を受賞した『ゴーストマスター』を観た。
『ゴーストマスター』 特殊メイクや特殊造形が良かった。 残酷描写も清々しい。 監督:ヤングポール 脚本:三浦貴大 成海璃子 板垣瑞生 |
悪霊によって地獄絵図と化した青春恋愛映画の撮影現場を舞台に描いた、三浦貴大と成海璃子を主演のホラーコメディ。
黒沢清監督に師事、アメリカ人の父と日本人の母を持つヤング・ポール監督の長編デビュー作。
2019年製作/90分/R15+/日本
配給:S・D・P
低予算の壁ドン青春映画の撮影が行われている廃校にて、助監督をしている黒沢明は名前だけは「巨匠」の風格だが、B級ホラー好きの気弱な映画オタクで、監督やスタッフからこき使われる日々を送っていた。
いつか自分が監督となった日に撮ることを夢見て、自分で書いた『ゴーストマスター』という脚本を唯一の心の支えとして持ち歩いていた。
黒沢の映画への愛と信念が詰まったその脚本は、悪霊を宿してしまう。
脚本に宿った悪霊により、青春映画の撮影現場は凄惨な地獄絵図と化していくのだった。
特殊メイクや特殊造形が良かった。
映画の撮影中にホラー現象が起こるのは、近年の『カメラを止めるな!』感があるのは否めない。
またそのホラー現象の中、カメラを回し続けたり、自分の感情を普段は抑えている助監督が撮影をしながら発狂していく展開も似ている。
特殊造形や残酷表現は面白くて、人の顔が一瞬で破裂するのは清々しい。
元柔道家の篠原信一さんがイイ味を出していたので、篠原さんをキャスティングするならば、あの体形や柔道を活かしたシーンも観たかった。
映画内のセリフで名監督の名前を羅列して「謝れ!」というシーンがあって、「タランティーノはいいの?」と問われて「あいつはイイ!!」と投げ捨てるシーンがあったが意味がわからなかった。
制作者の意図があり何かしらの意味があったとしても、受け手は「タランティーノのことが嫌いなんだな」と解釈するだろう。もしも違った意味合いで言っていたとしたのなら、誤解を生む表現なのでない方が良かった。
仮に「本当にタランティーノが嫌い」だったとして、その台詞を言う必要があっただろうか。
意味もわからないし面白くもないし、余計な台詞であったのでタランティーノに謝って欲しい。
映画の見せ所は多々あり面白かったが、物語の展開は意外性がなかった。盛り上がっていくというよりも、失速していく感じ。
個性的な役者陣のキャスティングは良かった、といったところで「カット、カット」。
この記事へのコメントはありません。