楽しみにしていた『犬鳴村』を観た。
『犬鳴村』 新たなる試みには好感。 個人的にはイマイチ。 監督:清水崇 出演:三吉彩花 坂東龍汰 古川毅 |
『呪怨』シリーズなどの清水崇監督が、福岡県に実在する心霊スポットを舞台に描くホラー。
『戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH』『貞子3D2』などの保坂大輔が清水監督と共同で脚本を担当。
『ダンスウィズミー』などの三吉彩花が主演を務める。
坂東龍汰、大谷凛香、古川毅、奥菜恵、寺田農、石橋蓮司、高嶋政伸、高島礼子らが脇を固める。
2020年製作/108分/G/日本
配給:東映
臨床心理士の森田奏(三吉彩花)の周りで不思議な出来事が起こっていたが、奇妙なわらべ歌を歌う女性、行方不明になった兄弟など、彼らに共通するのは心霊スポット「犬鳴トンネル」だった。
さらに突然亡くなった女性は、死ぬ間際にトンネルを抜けた後のことを話していた。
奏は何があったのかを確かめるために、兄たちと一緒に犬鳴トンネルに向かう・・・。
『犬鳴村』がヒットしてくれたのは非常に嬉しい現象である。
Jホラーの需要があることと、好きな人が結構いるんだなぁというのは喜ばしい。
監督も清水崇監督なので、『呪怨』好きな僕としても待望の作品である。
ただ結論から言うと『犬鳴村』はイマイチ良くなかった。
でも「良くなかった」という言葉だけで終わらせるには勿体ない作品である。
何故なら『犬鳴村』には、新たな挑戦が見えたからである。
清水崇監督の『呪怨』はもちろんのこと貞子等の日本を代表するJホラーが僕たちの認識を占めている中で、新しいJホラーを作ろうとしている試みが見えたのだ。
清水崇監督の『こどもつかい』というホラー作品も、そうだったが、新しい試みをしてJホラーの可能性を広げているような気がする。
だから『犬鳴村』では、『呪怨』と全く異なる表現で描いていた。
「呪い」にまつわる悲しい過去に関しては共通しているが、幽霊が出没する表現に関しては新しい表現を模索しているように思える。
僕個人的には『犬鳴村』が面白いとは思えないが、新しいものに挑戦している姿勢は素晴らしいと思う。
ただひとつ、オープニングの心霊スポットを動画を回しながらドキュメントタッチで描くあの手法は大嫌いなので観るのを辞めようかと思った。散々皆がやり尽くした方法を、オープニングから見せられてキツイものがある。
大体、あの表現方法って「リアル」じゃなくて「わざとらしい」。リアルさを表現したいんだろうけど、メチャクチャわざとらしい。だから嫌い。
僕の好きな『呪怨2』でもあったかな。『としまえん』でもあった。『貞子』でのYouTube撮影は割かしリアルだったが。他にも何度も観てきた覚えがあるが、調子に乗ってカメラを回し続けて悲惨な目に合うのってツマラナイ。僕の好みの問題かもしれないが。
高嶋政伸さんが出演していて彼は真人間であるかのように振舞うが、よっぽど高嶋政伸さんの方がホラーである。
高嶋政伸さんは日本のニコラス・ケイジとして、顔芸で人を魅了する役者で活躍していって欲しい。
また「恐怖回避バージョン」という余計なことはして欲しくない。本編が台無しになるので。
怖くもない、笑えもしない、何の意味があるのかワカラナイ。
そうは言ってもJホラーや清水崇監督は好きなので、次回作も楽しみにしていますといったところで「カット、カット」。
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