たわしが人間を襲うという作品である。
本作を作るにあたって影響されたのが、クローネンバーグ監督の『ザ・フライ』である。
何かに変身する映画はずっと撮りたいと思っていた。
当初は何か生きものに変身する映画を撮ることを考えていたが、生きものという発想をやめて、モノに変身するということにした。
そこで思い浮かんだのが、たわしである。
実際はたわしの造形を作って、たわし人間になることを考えていたが、どうやって作ればイイか?全くもってワカラナイ。
たわしの固い素材を素人が切ったり貼ったりしながら、たわし人間の特殊造形を作ることは、あまりにも困難であると判断したのだ。
そこでPCを使って編集の効果でたわし人間になっていく過程を表現しようとしたのだが、こちらも難しかった。
自分の思い描くような表現は出来ず、作品を完成させてしまった。
また今回は超シンプルな物語なので、何故かハンバーグを作りながらダンスをするというカタチを取り入れてみた。ただキッチンでハンバーグを作っていてもツマラナイので、ダンスをするということでオトボケテみた。
たわしを題材にして映画を撮ってみたものの、本作では「たわし」本来の使用用途は完全に無視している。
過去作の『ガムテリアン』『バサミアン』『ワゴムリアン』では、ガムテープはガムテープの、洗濯バサミでは洗濯バサミの、輪ゴムでは輪ゴムの使用用途に合わせて物語の展開を考えたものだ。
また少し前に撮った『キラーイレイザー』では、消しゴムの使用用途に合わせて物語を作ってある。
しかし、今回の「たわし」については、「たわし」である必要性が全くもってないのだ。
たわしが襲い掛かり人間のカラダをゴシゴシ磨きだしたりしないのである。
もしも、金だわしが人間を襲ってきたとしたら、もうカラダ中が切り傷だらけの血だらけになるのだ。
全然カンケーないのだが、この映画を観たらハンバーグが食べたくなる・・・、かもしれない。
映画を撮りながら、「あー!ハンバーグ食べたい!!」と思いながら撮っていたのだ。
撮影のためにハンバーグを作っているが、そりゃもうフツーにその場で召し上がりたいものである。
さて、それでは「わたしは、たわし。たわしは、わたし。」
今宵は、わたしと、たわしと共に踊りましょう。
それでは、『THE SCOURER -ザ・スカウラー -』をご覧下いませ。
『ザ・スカウラー』 上映時間3分54秒 |
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