ガメラシリーズの第3弾を観た。
『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』 子供の味方になってしまったガメラ。 個人的には恐怖のガメラが観たかった。 監督:湯浅憲明 出演:本郷功次郎 上田吉二郎 笠原玲子 |
東宝のゴジラと並んで怪獣ブームの立役者となった大映の『ガメラ』シリーズの第3弾。
ライバル怪獣の中でも抜群の知名度と人気を誇り、後の平成版3部作では最大の宿敵として設定された空飛ぶ怪獣ギャオスの初登場。
本作の見どころはともに飛行能力を持った両怪獣の空での激突であり、超音波であらゆるものを切断するギャオスと火炎放射のガメラ、そして画面狭しと飛び回る死闘はCG全盛の今見ても古さを感じない迫力。
本作からガメラは子どもの味方という設定が前面に打ち出されることとなった。
『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』の高橋二三が脚本。
『大怪獣ガメラ』の湯浅憲明が監督。
『ごんたくれ』の上原明が撮影。
1967年製作/86分/日本
原題:Gamera vs.Gyaos
配給:大映
富士山の噴火が始まって、その調査に赴いたヘリが空中で真っ二つにされるという怪事件が起きる。
墜落現場に駆けつけた少年・英一は、そこで翼竜のような怪獣に遭遇してしまったが、危ういところでガメラに救われる。
ギャオスと名付けられた新怪獣は超音波メスと同様に物体を切断する声を放ち、自衛隊も歯が立たずにいた。
やがて名古屋に飛来したギャオスは人間を貪り喰い、大暴れをはじめ、再び出現したガメラをも海にたたき落としてしまうのだった。
第一作目のガメラを観た時は、そのクオリティーの高さに驚いたが、段々と子供向けに合わせたガメラになってきたように思える。
やはり、ゴジラに対抗することもあってのことなのか。
僕は、一作目の何とも恐ろしいガメラの方が好きであった。
ガメラの恐ろしさが、そのクオリティーの高さとともに表現されており、カッコ良かったのだ。
第二作目から、どうも間抜けなシーンが増えてきた感があったが、本作の『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』も僕はノリきれなかった。
怪獣映画ファンやガメラファンの方々は愛すべき作品なのだろうけど、僕個人の意見としてはガメラの恐ろしさをリアルに描くことでのカッコ良さを観たかったのだ。
敵対するギャオスも間の抜けた顔をしており、少年が「ギャオ~ッ!って鳴くからギャオスなんだよ」という幼稚な命名をすることで、怪獣の恐ろしさが半減してしまった気がする。
ギャオスという名前は良き名前だと思うが、名前は大事なものである。例えば「ギラオス」という名前なら強そうだが、「ギャポス」という名前なら弱そうであるし、「ギャポンポス」という名前なら可愛らしくなってしまうのだ。
家族で楽しんでもらう怪獣映画を作ることは間違いないとは思うが、心底震え上がるようなガメラを観たかったといったところで「カット、カット」。
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