暴力的な嫁さんの物語を思い付いて作品化する時に、何の躊躇もなく自分が女装することを選んだ。
悲しいかな、一人で映画を撮っているものだから、女性役も自分で演じなければいけない。
そして、さらに悲しいかな、レディースものの衣装を用意しなければいけない。
メンズものであれば衣装として購入しても、その後に着ることも出来るが、レディースものの衣装は撮影後に着ることはない。
だから比較的、安価な衣装を購入するのだが、今回衣装選びでお気に入りのものを見つけてしまったのだ。
レディースの衣装でお気に入りを見つけてしまうなんてことは初めてである。
ワンピース型のジャージである。
「お、これイイやん!」と思ったが、価格が5000円近くして、中途半端に迷う金額である。
自分の服すらもマトモに買い物していないのに、撮影後一切使用しない衣装のために5000円近く衣装代を使うのが勿体ない気がする。
その他、あれこれ衣装を物色してみるものの、やはりお気に入りの衣装が欲しくなってくるのだ。
ということで、プライベートで一切着ることのないジャージマキシワンピースを購入するのであった。
まぁ撮影は一度きりだが、作品はずっと残るものなので数千円単位をケチってみても後悔するだけなのである。
それにしても、今回のある小道具を買う時に一番高いと思ったものがある。
レディースの衣装なんかよりも、ずっと高いと思ったのだ。
それは、「タバコ」である。
非喫煙者の僕にとっては驚きの価格である。
「500円だとぉっ!!」
普段タバコを吸わない人間が、撮影の小道具でタバコを買う時、小道具としては全然安い価格だが、タバコに500円の価値を見出せない僕にとっては激高いぼったくり商品である。
確かひと昔前は200円位で販売されていたはずである。
いざ撮影を始めて、ジャージマキシワンピースに着替えて、タバコに火を点けて、さらに驚いた。
「おぉっ、なかなかウマイではないか」
その昔、遊び半分で吸ったことは何度かあったが、今回撮影時にタバコを吸った時、タバコの美味しさを初めて味わったのである。
だからと言って吸い続けることはないが、驚きの発見であった。
ニオイは衣服に付くわ、カネはかかるわ、身体に悪いわ、デメリットが多すぎて喫煙者の気持ちが全くワカラナイのだ。
そんなこんなで作品を作るうえで色んな発見があるのだなぁと思った次第である。
それでは、『凶暴なる嫁』をご覧くださいませ。
『凶暴なる嫁』
上映時間11分21秒 |
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