『ゴジラVSモスラ』 憎まれるゴジラと感謝されないバトラ。 愛されるのはモスラだけ。 監督:大河原 孝夫 出演:別所 哲也 小林 聡美 村田 雄浩 |
シリーズ第19作、海底から現れたゴジラと、モスラや新怪獣バトラとの戦いを描く怪獣映画。
『超少女REIKO』の大河原孝夫が監督。
『継承盃』の監督・大森一樹が脚本。
『ヒルコ 妖怪ハンター』の岸本正広が撮影、前作『ゴジラVSキングギドラ』の川北紘一が特撮監督。
1992年製作/107分/日本
配給:東宝
巨大隕石が日本の小笠原諸島沖を直撃した衝撃を受けて、巨大怪獣ゴジラが長い眠りから目を覚ます。
同じ頃に日本の研究チームは南洋のインファント島に向かい、そこで見つかった巨大な卵の調査を開始した。
それは地球の先住人類の守護神である巨大蛾モスラの卵であったが、モスラの卵は日本に輸送されることになった。
やがて別の怪獣バトラが日本に上陸して、モスラ・ゴジラ・バトラという三つどもえの戦いが繰り広げられる。
『ゴジラVSビオランテ』を観た時はゴジラ映画のクオリティーが上がった印象があったが、それよりも3年後の作品である本作はまた幼稚な物語になった印象を受けた。
そして前作の『ゴジラVSキングギドラ』では『ターミネーター』をパクッたような登場人物が出てきたが、本作では別所哲也がまるで『インディー・ジョーンズ』『レイダース』のような冒険家として登場する。
本気でカッコイイと思って、この設定にしているのだろうか?
かなりダサいと思えるが、離婚した元妻との何とも言えないやり取りも非常にダサい。
元夫婦は互いに言葉で軽く非難しあいながらも、娘を通して、またモスラを通して、怪獣のバトルを見守り続ける。
「モスラの歌」を歌う妖精の歌声は、確か子供の頃から眠くなるような子守歌みたいな感覚があったが、モスラを呼び起こす歌なのか。
彼女らは何を食べて、どこでトイレをしているのだろう。
パパとママはいるのだろうか。
そんな疑問を抱いている間に、モスラは国会議事堂で繭から孵化して成虫に。
そして戦いの舞台は横浜へと移るわけだが、バトラという怪獣が観覧車を持ち上げてゴジラに叩きつけるというアグレシッブな戦いっぷり。
モスラとバトラでお互いに顔を合わせながら「何やら相談している」様子。
倒れたゴジラの上半身をバトラが担いで、尻尾をモスラが担ぐ。
可哀相なのはバトラで、ゴジラに噛みつかれて気色の悪い液体を放出しながら、追い討ちをかけるようにゴジラの放射線を浴びせ続けられる。
一方、尻尾を掴んでいるモスラは被害なし。尻尾を振り回されることもなく、おとなしい尻尾を担いでいるだけ。
かと思いきや、バトラごとゴジラを海へドボンッ!と落とした。
モスラには感謝しても、バトラに感謝する人々は存在しないのか?
「多分、これぐらいではゴジラは死なないよなぁ」と違和感を覚えながらも、物語は終焉を迎えるのである。
色々と疑問が渦巻く映画ではあったが次作も追いかけていこう、といったところで「カット、カット」。
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