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Netflixドラマ『イカゲーム』ネタバレ・あらすじ・感想。

Netflix配信の大ヒット韓国ドラマ『イカゲーム』を観たのだ。

『イカゲーム』
生死を賭けたデスゲーム。
人間ドラマと優れた物語。
監督:ファン・ドンヒョク
出演:イ・ジョンジェ,パク・ヘス,オ・ヨンス,ホ・ソンテ

Netflix

 

予告編

 

 

解説

 
2021年9月17日からNetfilxで配信され、世界最大のヒット作に躍り出た韓国ドラマ。

映画『トガニ 幼き瞳の告発』などのファン・ドンヒョクが監督を務める。

『新しき世界』「神と共に」シリーズなどのイ・ジョンジェが主演。

『刑務所のルールブック/賢い監房生活(原題)』などのパク・ヘス、本作が女優デビュー作品であるモデルのチョン・ホヨン、その他にも豪華なカメオ出演が話題。

 

あらすじ

 
ソン・ギフン47歳は借金まみれで、年老いた母の金にまで手を出しギャンブルが止められないうえ、妻とは離婚して娘ともなかなか会えずにいた。

ある日、地下鉄のホームで見知らぬ男から「勝てば大金が手に入る」と怪しげな話と共に名刺を渡されて、「イカゲーム」に招待される。

謎の孤島に作られた巨大施設の中で緑色のジャージに着替えさせられた、年齢・職業もバラバラな456人の参加者たちと共に悲惨な現状から抜け出すべく、賞金456億ウォンを目指す。

だが敗者には容赦ない死が待っており、子供の頃に遊んだゲームを想起させるデスゲームに挑むことになる。

 

感想

 
あまりにも話題になっていた本作は、Netflix史上視聴者数歴代一位の最大のヒットとなり、「一応、観とかなきゃなぁ」と、さほど期待もせずに世の中の流れに流されるままに観ることにした。

結論から言うと、「面白かったよぉ~!」と三日間ぐらいで全9話を一気見した。

日本のデスゲーム系のパクりだと言う声もあるが、残念ながら日本のデスゲーム系のモノよりも遥かに出来がイイ。

監督は実際に日本の漫画などに影響を受けているらしいが、日本のモノよりもイイモノを作ってしまったのだから、「パクリだ」と騒ぎ立てる行為には恥ずかしくて目も当てられない。

日本も昔は「猿マネ」と呼ばれるほど、海外から色んなものをパクッてきたことを棚に上げて吠えている。

映画にしてもハリウッド映画から影響を受けてパクった作品は多々あるが、結局ハリウッドよりもイイモノを作ることは出来ず、大幅にスケールダウンしたお粗末な作品を世に放ち不評を浴びるだけであったのだ。

それが日本のパクりであったにせよ、韓国が遥かにイイ作品を作りあげてしまったから、日本人は嫉妬心に駆られて虚しく大騒ぎをするしかない。

『イカゲーム』が何故大ヒットして、何故面白い作品になったのかを考えなければ、今後も同じことを繰り返していくだけなのだ。

僕なりに『イカゲーム』の感想を述べていきたい。

 

カラフルな色彩とスタイリッシュなデザイン

 
デスゲームという設定をイメージした際に、暗い部屋で色彩を使わずブラックやグレーを用いてデザインが設計されがちなのだ。

本作では、デスゲームというイメージとかけ離れたカラフルな色彩スタイリッシュなデザインで設計された建造物や組織の連中のコスチュームが、余計に不気味な印象を与えて恐怖感を増幅させている。

ピンクやイエローといった本来楽しい色を想像させる色彩が、「子供の遊び心」を大事にすることによって非常に不気味な効果を演出しているのだ。

人の生き死にで無邪気に遊ぶ空間は、まるで「オモチャ箱」のようである。

 

魅力的なキャラ

ゲームの参加者はバラエティーに富んだ非常に魅力的なキャラ達で構成されている。
 
借金まみれのダメ男である主人公ソン・ギフン、ソン・ギフンの幼馴染みで弟分であるソウル大学出身の秀才で証券会社の投資チーム長を務めていたチョ・サンウ、そして脱北者である謎の女性、456人の内で一番乗りでゲームに参加した爺さん、悪役のギャング男、口うるさくシングルマザーのウザい女、パキスタンからの外国人労働者など、個性的で魅力的なキャラ達でひしめき合っている。

魅力的なキャラ達はベタなキャラと言えばベタな設定ではあるが、彼らの持つ個性が「イカゲーム」を大いに盛り上げてくれていることは間違いなく、一切の無駄がない必要不可欠なキャラ達なのだ。

さらには行方不明の兄を捜してゲームに潜入した警察官がいたり、豪華キャストとして『新 感染』で主役を務めたコン・ユが登場したり、イ・ビョンホンが出て来たりと、本作をより一層楽しめる効果をもたらしている。

 

それぞれの人間ドラマ

 
魅力的なキャラ達に加えて人間ドラマが描かれていることで、「イカゲーム」に参加すること、「イカゲーム」で生き残るための意志や想いが、観ている者を感情移入させてくれるのだ。

キャラ達にはゲームに参加したそれぞれの背景があり、生き残って賞金を獲得するための目的がある。

時には、他人を騙してでも、仲間を裏切ってでも、ゲームに勝つために手段を選ばない。

「イカゲーム」で一番色濃く人間ドラマで胸を熱くしたのが、4番目に行われた種目の「ビー玉遊び」である。

秀才であるチョ・サンウは、「アニキ」と慕うパキスタン人とのビー玉遊びで自分の敗北が見えた時に精神を錯乱させて、結果パキスタン人の彼を卑劣に騙す。

脱北者の女性と組んだ出所したばかりの女性は、自らの意志で「自分がゲームに負ける」ことを選択する。

そのあまりにも悲しく美しく残酷なドラマに目がしらが熱くなるのだ。

ソン・ギフンと爺さんのビー玉遊びも泣けた。

ズルをしながら爺さんのビー玉を奪っていったソン・ギフンと爺さんの二人のやり取りに、憤りと切なさがこみ上げてくるのである。

 

優れた物語展開

 
キャラ達の人間ドラマが最高なのはもちろんのこと、その他のゲーム参加者たちが「ゲームの内容を説明をするため」「物語を進めるため」に必要な言動をすることによって、観ている者をわかりやすく誘導してくれるのだ。

暴言を吐いたり、ゲームを放棄して反乱をしたりすることで、「こんな行動とったら、どうする?」という疑問を丁寧に払拭してくれる。

一番感心したのは、「過半数がゲームの不参加を希望したらゲームが中止」になるというルールで、本当に一度はゲームが中止され家に帰されたことだ。

一度ゲームを中止にして彼らを日常に戻すことによって、彼らが再び自分の意志でゲームへの参加を希望する重要なシーンが描かれる。

警察に駆け寄って事情を説明しても無駄なこと、ソン・ギフンが警察に行ったことにより兄の行方を捜していた警察官がゲームの組織内部へと潜入すること、その重要なシーンたちがゲームを一度中止したことによって本作をより濃厚なドラマにした。

警察官の行方を捜していた兄がゲーム組織の重要人物であったこと、認知症の爺さんがゲームの運営者であったこと、ガラスの破片が脇腹に刺さり耐える脱北者の女性を救助しようとしたソン・ギフンであったが、弟分のチョ・サンウが女性を殺害してしまっていた展開。

そのどれもが練りに練り込まれた優秀な物語展開で、本作の大ヒットが頷けるものであった。

大金を手にしたソン・ギフンがカネに手を付けないことや、脱北者の女性の弟を預かりチョ・サンウの母親に大金を置いていったところも良かった。

爺さんが運営者であったことと、まだ謎だらけの「イカゲーム」の謎を解き明かそうと立ち向かうソン・ギフンの姿で終わり、シーズン2へと続く流れになったところも最高である。

製作されることが決まったシーズン2を心待ちにしていよう、といったところで「カット、カット」。

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